八島祥司

八島 祥司

八島 祥司（やしま しょうじ）氏は、1970年9月14日に千葉県で生まれた元プロ野球選手です。現役時代のポジションは投手で、右投げ右打ちのスタイルでした。

アマチュア時代とプロ入り

地元の市立柏高校で野球に打ち込み、3年生の夏には千葉県大会で決勝まで進出し、惜しくも準優勝という結果を残しました。高校卒業後の1988年オフ、八島氏はドラフト会議を経ずにロッテオリオンズ（現在の千葉ロッテマリーンズ）へ入団。プロの世界への扉を開きました。入団会見の席では、すでに自信を持っていた得意のフォークボールについて触れ、「当時球界を代表する強打者であった秋山幸二選手や清原和博選手から、そのフォークで三振を奪うのがプロでの夢だ」と、将来への意気込みを語っていました。

プレースタイル

オーバースローからの力強い投球が特徴の本格派投手として知られていました。変化球はカーブ、シュート、そして決め球として期待されたフォークボールなどを駆使し、特に変化球の鋭さや制球力は評価されていましたが、プロの打者を完全に封じ込める決定的な決め球の不足が課題として挙げられることもありました。

プロでのハイライト

プロ2年目の1990年シーズン、八島氏にとって忘れられない一日が訪れます。同年8月3日、オリックス・ブレーブスとの試合（グリーンスタジアム神戸）で、プロ入り後初めて一軍登録されます。そしてその日、チームが窮地に立たされていた6回裏、一死二、三塁という場面で、ベンチに座っていた八島氏に当時の金田正一監督から突然「行けるか」と登板が命じられました。ブルペンでの準備をする時間もほとんどなく、ベンチ裏で急いで自身のグラブを見つけ出し、わずかにキャッチボールをしただけの状態での緊急リリーフ登板でした。しかし、この土壇場で見事に後続を断ち、ピンチを乗り切ります。その後もマウンドに立ち、1回2/3を無失点で切り抜ける好投を見せました。チームはこの間に逆転に成功。この結果、八島氏はプロ初登板で同時にプロ入り初勝利という、劇的な形で一軍デビューを飾ることとなりました。

しかし、プロ野球の厳しさも経験します。同年8月19日には、再びオリックス戦（札幌円山球場）でプロとして初めて先発マウンドに上がります。ところが、立ち上がりから本来の投球ができず、先頭打者、そして次の打者にも連続でヒットを許したところで、わずか打者2人の対戦で交代を告げられました。この0/3回を1失点という結果が、八島氏にとってプロ野球生活で記録された唯一の敗戦投手となりました。

現役引退と球団への貢献

その後は目立った成績を残すことは難しく、1993年シーズンをもって現役選手としてのキャリアに幕を下ろしました。

現役を引退した後も、八島氏はロッテ球団に残り、裏方としてチームを支え続けています。1994年からは打撃投手として、約16年間選手たちの打撃練習の相手を務め、チームの強化に貢献しました。そして2010年からはスコアラーに転身。現在も、相手チームの戦力分析や試合中の情報収集などを担当し、チームの勝利のために尽力しています。現役引退後も長きにわたり、ユニフォームを変えながらもロッテ一筋で球団に貢献している人物です。また、同じ千葉県出身で、ロッテでチームメイトとして共にプレーした小宮山悟投手の引退試合では、花束を贈呈する役を務めました。

記録と背番号

プロでの主な記録

初登板・初勝利：1990年8月3日、対オリックス・ブレーブス戦（グリーンスタジアム神戸）で、6回途中から救援登板し1回2/3無失点。
初先発登板：1990年8月19日、対オリックス・ブレーブス戦（札幌円山球場）で、0/3回1失点。

背番号

現役選手時代：65（1989年 - 1993年）
打撃投手時代：103（1994年 - 2009年）

八島祥司氏は、プロ初登板での劇的な勝利など記憶に残る場面を残し、現役引退後も長年にわたり裏方として球団に貢献し続ける、ロッテにとって重要な存在です。

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