八戸中心街ターミナル

八戸中心街ターミナル：八戸市の公共交通の中枢

八戸中心街ターミナルは、青森県八戸市中心部に位置するバスターミナルです。市内および近隣地域を運行する路線バス、長距離高速バス、高速ツアーバスが乗り入れ、八戸市の公共交通において重要な役割を担っています。

ターミナルの誕生と整備

以前は、中心市街地に複数のバス停留所が点在しており、運行事業者や路線によって停留所の場所や名称が異なっていました。このため、利用者にとって分かりにくく、不便な状況でした。そこで、八戸市や関係事業者の協力の下、停留所を統合し、現在のような一体型のバスターミナルが整備されました。この整備によって、乗降客の利便性が向上し、市全体の交通効率の改善にも貢献しています。

アクセスと路線網

ターミナルは八戸市中心市街地の北東部に位置し、放射状に路線が伸びています。特に岩手県北地域との結びつきが強く、多くの路線バスが運行されています。また、八戸市が新産業都市に指定された後、市内各地で郊外住宅地の開発が進んだことに伴い、ターミナルと住宅地を結ぶ路線も増え、運行本数も豊富です。さらに、中心市街地近郊には大型ショッピングセンターなどが集積しており、これらの商業施設へのアクセスも良好です。

JR八戸線の本八戸駅からは約500m離れており、独立したバスターミナルとして機能しています。八戸駅（東北新幹線も停車）とは約5km離れており、鉄道駅を起点としたバス路線はほとんどなく、中心街ターミナルを中心としたバス路線網が八戸市の公共交通を支えています。

かつてターミナル内には「八戸中心街ターミナルモビリティセンター（モビセン）」があり、案内業務や乗車券販売、パンフレット配布などを行っていましたが、現在は「はっち」のエントランスカウンターに機能が統合されています。市営バスの運行情報は、ターミナル内のカウンターに設置された液晶ディスプレイでリアルタイムで確認できます。

ターミナルの構造と運行形態

八戸中心街ターミナルは、全国でも珍しい青空ターミナルです。中心市街地の道路事情を反映し、各乗り場が市街地に点在する形で構成されています。八戸市中心市街地は、城下町の面影を残す古い街並みが残り、道路が狭く、一方通行の道路も多いのが特徴です。そのため、同じ路線でも、行き先によって異なるルートを通行し、異なる乗り場を利用します。例えば、「八戸駅～中心街ターミナル～ラピア」という路線では、ラピア行きは「表通り」の2番のりば、「八戸駅行き」は「裏通り」の5番のりばを使用するなど、複雑な運行形態となっています。

乗り場と周辺環境

ターミナルは、「表通り」（旧国道45号線、東西方向一方通行）、「裏通り」（表通りに並行、西方向一方通行）、「南北の通り」（南北方向一方通行）の3つの通りにまたがって配置されています。各乗り場は、これらの通りの交差点付近に位置しています。

1番のりば（三日町）： さくら野百貨店、八戸ポータルミュージアムはっちの近く。本八戸駅方面への路線が多く発着。
2番のりば（八日町）： 青い森信用金庫本店前。湊・鮫方面、ラピア方面、柳橋方面、旭ヶ丘方面の路線が発着。高速バスの降車場も設置。
3番のりば（中央通り）： るるっぷ八戸の近く。市民病院方面、縄文・是川方面の路線が発着。
4番のりば（朔日町）： 二ツ家方面、階上循環の路線が発着。
* 5番のりば（六日町）： コンサートホール八戸店の近く。八戸駅方面、高速バス乗車場、市内循環線など。

乗り入れ事業者と路線ナンバリング

主に八戸市営バス、岩手県北自動車（南部バス）、十和田観光電鉄（十鉄バス）の3事業者が乗り入れています。市内路線は市営バスが中心で、南部バスが一部を補完。近隣市町村への中距離路線は南部バスが主体で、十和田市方面は十鉄バスが運行しています。高速バスは、岩手県北バス、十鉄バス、国際興業などが運行しています。

八戸市では、路線ナンバリング制度を導入しています。行き先ごとに番号が割り当てられ、方面を示す記号を頭に付けて表示することで、路線の判別を容易にしています。

祭り・イベントと運行への影響

八戸市では、「八戸三社大祭」など、多くの祭りやイベントが開催されます。これらのイベント開催時には、交通規制のため、バス路線は大幅な迂回運行となる場合があります。迂回運行時は、通常の終点とは異なる停留所で終点となる場合や、臨時停留所が設置される場合があります。

まとめ

八戸中心街ターミナルは、八戸市の公共交通を支える重要な拠点です。複雑な運行形態や、祭り・イベント開催時の迂回運行など、課題も残りますが、八戸市民の生活に欠かせない存在となっています。

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