八王子 (花街)

八王子の花街：歴史と文化

八王子は、東京都八王子市の八王子駅北西部に位置する地域で、かつては花街として栄えました。この地域は、江戸時代には甲州[[街道]]の宿場町として、また絹織物産業の街として発展し、その繁栄とともに、旅籠には飯盛女（宿場女郎）が置かれ、これが後の遊郭のルーツとなりました。

花街の誕生と発展

明治時代初期には、芸妓置屋や料理屋が集まり、狭義の花街が形成されました。しかし、明治30年（1897年）の八王子大火により、遊郭は田町に移転することになります。一方、花街は織物産業の隆盛とともに繁栄を続け、昭和4年（1929年）には、芸妓150名、料理屋14軒、待合36軒、置屋39軒という規模に達しました。

戦後の復興と衰退

第二次世界大戦による休業や空襲の被害を経て、花街は敗戦後に復興を遂げます。特に、洋服の需要が増加したことで料亭は45軒、芸妓は215名と最盛期を迎えました。しかし、昭和30年代後半からは、時代の変化とともに芸妓や料亭の数は徐々に減少していきました。平成9年（1997年）には、料亭6軒、割烹料亭5軒、芸妓14名と、かつての賑わいは見る影もなくなりました。

文化の継承に向けた取り組み

花街の伝統が消えゆく危機感から、商工会議所や地域住民は平成11年（2007年）に「八王子黒塀に親しむ会」を結成しました。この会は、花街文化の伝承と情報発信を目的としており、芸妓衆は地元の行事に積極的に参加し、その技芸を披露しています。特に、八王子芸妓の恵（めぐみ）は、置屋「ゆきの恵」を開業し、若手の育成に尽力しています。

2018年には、見番が新装され、改修時に失われた舞台が設けられ、そのお披露目が行われました。これらの活動を通じて、八王子の花街文化は、歴史を継承し、新たな発展を目指しています。

参考資料

浅原須美『東京六花街　芸者さんから教わる和のこころ』ダイヤモンド社、2007年。ISBN 978-4478077894。
上村敏彦『東京 花街・粋な街』街と暮らし社、2008年。ISBN 978-4901317191。

関連情報

田町 (八王子市)（旧・遊廓）
中町 (八王子市)（現存）
甲州[[街道]]
東京の[[花街]]

外部リンク

* 八王子花柳界ホームページ

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