八百富神社

八百富神社：三河湾に浮かぶ聖域

愛知県蒲郡市竹島町に位置する八百富神社は、三河湾に浮かぶ竹島全域を境内とする、由緒ある神社です。別名『竹島弁天』として知られ、日本七弁天の一つに数えられています。

歴史と創建

八百富神社の創建は、1181年（養和元年）に三河国国司であった藤原俊成が、琵琶湖の竹生島から祭神を勧請したことに始まると伝えられています。その後、幾多の変遷を経て現在の姿に至っています。1725年（享保10年）には、豊川市国府町にあった宇賀神社が、元の鎮座地である八百富神社境内へ再移転するなど、歴史の深い出来事が刻まれています。

1915年（大正4年）には海上大鳥居が完成し、さらに1932年（昭和7年）には、名古屋の繊維問屋である瀧信四郎氏（五代目）の寄付によって竹島橋が架けられ、参拝が格段に容易になりました。現在の竹島橋は1986年（昭和61年）に完成したものです。

自然と文化の調和

竹島は対岸からわずか400mしか離れていないにもかかわらず、暖地性の植物が生い茂る特異な環境を有しています。この豊かな自然環境は、1930年（昭和5年）に国の天然記念物「八百富神社社叢」として指定され、保護されています。

神社境内には、数多くの文化財が保存されています。蒲郡市指定文化財である弁財天十五童子像、俊成卿画像（土佐光芳筆）、伯牙子期図絵馬（狩野安信筆）、木造弁財天像、五条三位俊成卿筆加賀切、竹島参詣滑稽雛栗毛など、歴史と芸術の息吹を感じさせる貴重な品々が、訪れる人々を魅了します。

祭神と境内社

八百富神社の主祭神は市杵島姫命です。境内には、宇賀神社（祭神：宇賀御魂命）、大黒神社（祭神：大国主命）、千歳神社（祭神：藤原俊成）、八大龍神社（祭神：龍神）など、複数の境内社が鎮座しています。それぞれの神様への信仰が、地域の人々の生活に深く根付いていることが伺えます。

アクセス

八百富神社へのアクセスは、JR東海道本線または名鉄蒲郡線蒲郡駅から約2km。名鉄バスを利用し、「竹島遊園」バス停下車後、徒歩約5分と便利です。三河湾の美しい景色を楽しみながら、歴史と自然に包まれた八百富神社へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

まとめ

八百富神社は、歴史、自然、文化が一体となった、魅力的な場所です。国の天然記念物に指定された社叢、数多くの文化財、そして穏やかな三河湾の景色は、訪れる人々に忘れられない思い出を刻み込むでしょう。日本の歴史と自然の深さに触れたい方は、ぜひ一度訪れてみてください。

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