八百津橋

八百津橋

八百津橋（やおつばし）は、岐阜県加茂郡八百津町の中心部を流れる木曽川に架設された重要な交通インフラです。岐阜県道83号多治見白川線の一部を構成し、地域の動脈として機能しています。

この橋の歴史は、昭和29年（1954年）に現在の旧橋が開通したことに始まります。当時の社会情勢に応じた規模で建設されましたが、その後のモータリゼーションの進展と地域経済の発展に伴い、交通量は増加の一途をたどりました。特に、橋の幅員が狭かったため、増大する交通需要に対応することが困難となり、慢性的が混雑が発生するようになりました。

この状況を解消し、より安全で円滑な交通を確保するため、平成3年（1991年）には従来の橋に隣接して新たな橋が建設されました。これが現在「新八百津橋」あるいは単に「八百津橋」と呼ばれる主要な橋梁です。新しい橋の完成後、かつて幹線道路の役割を担っていた旧八百津橋は、その役割を変更し、現在では歩行者および二輪車専用の橋として利用されています。これにより、車両交通と歩行者・二輪車の動線を分離し、それぞれの安全性が高められています。

八百津橋（新橋）の概要

現在、主に自動車が通行する新八百津橋は、以下の詳細な仕様を持っています。

形式: 景観にも優れた鋼ニールセンローゼ橋が採用されています。アーチ部材と桁を結ぶ斜めの部材（ローゼ）が特徴的な構造です。
橋格: 1等橋 (TL-20) に設計されており、これは当時の一般的な大型車両の総重量（20トン）に耐えうる基準であることを示しています。
橋長: 全体で160.000メートルに及びます。
支間割: 主な径間の長さは158.500メートルです。
幅員:
総幅員: 8.700メートル
有効幅員: 7.500メートル
車道幅員: 7.500メートル
歩道: 設けられていません。
総鋼重: 構造全体に使用されている鋼材の総重量は907トンです。
床版: 車両が通行する路面部分は、鉄筋コンクリートで構築されています。
施工: 川崎重工業によって建設されました。
架設工法: ケーブルクレーン斜吊り工法という特殊な工法を用いて架設されました。

八百津橋側道橋（旧橋）の概要

現在、歩行者・二輪車専用として利用されている旧八百津橋（側道橋）は、以下の仕様を持っています。

供用開始: 昭和29年（1954年）に開通しました。
用途変更: 平成3年（1991年）の新橋完成に伴い、歩行者および二輪車専用橋となりました。
延長: 全長は116.6メートルです。
幅員: 幅は4.5メートルです。
橋の構造: トラス橋の一種であるワーレントラス橋が採用されています。三角形を組み合わせた構造が特徴です。
* 区間: 岐阜県加茂郡八百津町伊岐津志地区と、同じく八百津町内の八百津地区を結んでいます。

八百津橋は、新旧二つの橋が並んで木曽川を渡る風景を形成しており、それぞれが異なる役割を担いながら、長年にわたり八百津町の交通、そして人々の往来を支え続けています。

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