八集 (増支部)

八集（Aṭṭhakādi-nipāta）

『八集』、またはアッタカーディ・ニパータは、パーリ語で書かれた仏教の経典であり、特に増支部に属する第8集です。この経典は、仏教教学において重要な位置を占めており、その内容は多岐にわたります。全体の構成は11品から成り生まれており、626の個別な経文が含まれています。

構成内容

1. 慈品 (Mettā-vaggo)

最初の品である慈品では、愛と慈悲の重要性が説かれており、心温まる内容が特徴的です。特に、この品は仏教徒にとって基本的な教えの一つとされ、他者に対する思いやりの心を育むための指導が含まれています。

2. 大品 (Mahā-vaggo)

大品は、仏教の根本的な教えを広く解説しており、非常に重要な経典です。この品は、教えをより深く理解するための基盤を提供し、仏教徒が直面する様々な問題への対処方法を提案します。

3. 居士品 (Gahapati-vaggo)

居士品は、一般の信者や家庭人に向けた教えがまとめられています。日常生活における仏教の実践がテーマで、仏教徒としてどう生きるべきかが具体的に示されます。

4. 布施品 (Dāna-vaggo)

布施品では、与えることの価値と、その実践についての教えが強調されます。布施は仏教において非常に大切な行為とされ、他者を助けるための具体的な方法や効果について詳述されています。

5. 布薩品 (Uposatha-vaggo)

この品では、布薩（うばっさ）の儀式や、その意義について説明されています。布薩は仏教において重要な儀式であり、精神的な浄化やコミュニティの結束を助ける役割を果たします。

6. 瞿曇弥品 (Gotamī-vaggo)

瞿曇弥品は、特定の人物に関連する教えが含まれており、個別のエピソードを通じて様々なメッセージが伝えられます。

7. 地震品 (Bhūmicāla-vaggo)

地震品では、自然災害に関する教えや、それに対する人間の心の持ち方について考察されます。

8. 双品 (Yamaka-vaggo)

双品は、二つの相反する考えや行動について扱い、それぞれの教訓を示します。

9. 念品 (Sati-vaggo)

念品は、マインドフルネスや注意深さについての教えを中心に構成されており、瞑想や心の修行に関する重要な指導がまとめられています。

10. 沙門品 (Sāmañña-vaggo)

沙門品では、僧侶や出家者に関する教えが述べられ、生き方や教えの実践が詳しく説明されています。

11. 貪品 (Rāga-peyyālaṃ)

最後の貪品は、欲望や執着に関する教えを記し、斎戒や心の修行の重要性が強調されています。この部分は、仏教徒にとって大いに参考になる内容です。

日本語訳

『八集』の日本語訳は『南伝大蔵経・経蔵・増支部経典5』（第21巻）として大蔵出版から提供されており、広く読まれています。

本書は仏教の基本的な教えを学ぶうえで欠かせないものであり、その豊かな内容は、現代においても多くの人々に影響を与え続けています。

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