公共職業能力開発施設

公共職業能力開発施設について

公共職業能力開発施設は、国、都道府県、市町村が職業訓練を目的に設置する重要な施設です。これには、職業能力開発校、職業能力開発大学校、職業能力開発短期大学校、職業能力開発促進センター、および障害者職業能力開発校の5種類が含まれています。これらの施設は、職業能力開発促進法第十五条の六に基づいて設立されており、その他の施設が同様の名称を使用することは禁じられています。

この制度は、1992年（平成4年）以前には公共職業訓練施設という名称で知られていましたが、法改正に伴って名称が変更された経緯があります。

職業訓練の種類と認定

公共職業能力開発施設では、普通職業訓練や高度職業訓練といった公共職業訓練が行われています。この訓練と対照的に、事業主が提供する職業訓練の中で、都道府県知事による認定を受けたものは認定職業訓練と呼ばれます。公共職業能力開発施設ではないけれども、認定職業訓練を行う施設も存在し、一定の基準を満たすことで公共の名を名乗ることができます。

また、職業訓練を実施するには職業訓練指導員が必要です。彼らの養成と資質向上を図るために、指導員訓練というプログラムが設けられています。指導員訓練は、職業訓練法に基づいて法定職業訓練の一環として位置付けられており、専門的なスキルを持った人材を育成します。

施設の設置者と運営

公共職業能力開発施設は、国が主導で設置しています。具体的には、職業能力開発短期大学校、大学校、促進センターなどがその例で、運営は独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構に委託されています。さらに、障害者職業能力開発校は国によって設立されており、いくつかは各都道府県にその運営が委託されています。

都道府県も職業能力開発校を設置する権限を持ち、厚生労働大臣の同意で他の施設を設立することも可能です。市町村も同様の条件で職業能力開発校を設置することができます。

職業訓練の内容

公共職業訓練は、習得させる技能のレベルに応じて「普通職業訓練」と「高度職業訓練」というカテゴリに分かれ、さらに訓練の期間によって「長期間訓練」と「短期間訓練」にも区分されます。普通職業訓練は職業能力開発校や促進センターなどで実施され、高度職業訓練は主に職業能力開発短期大学校や大学校で行われます。

また、公共職業能力開発施設以外でも必要に応じて職業訓練を委託することが可能であり、この場合も訓練は公共職業訓練として認識されます。さらに、総合的職業能力開発センターとして、訓練だけでなく情報提供や相談業務を行う機能も持っています。

総括

公共職業能力開発施設は、社会の労働力を支える重要な役割を担っており、能力開発や職業訓練を通じて多様な働き手を育成しています。その経験や知識が、地域の雇用促進や労働市場の活性化に繋がり、持続可能な社会の実現に貢献しています。

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