公文俊平

公文 俊平について

公文 俊平（くもん しゅんぺい）は、1935年1月20日生まれの日本の著名な社会学者であり、東京大学教授や多摩大学情報社会学研究所所長などの職務を歴任しています。出身は高知県で、学生時代には土佐中学校・高等学校を経て、1957年に東京大学経済学部を卒業しました。その後、1959年には同大学院社会科学研究科で理論経済学の修士課程を修了し、1967年には東京大学教養学部の助教授に就任しました。

公文氏は、カールトン大学やインディアナ大学でも教職を経験し、1968年にはインディアナ大学経済学大学院よりPh.D.を取得しました。1971年には経済企画庁の客員研究官を務め、その後1978年には東京大学教養学部の教授に就任しました。さらに、1988年にはワシントン大学の客員研究教授、1990年には国際大学教授として活動を広げ、2011年には多摩大学の教授として「社会システム論」を担当しています。

公文氏は、経済学者としてのキャリアをスタートしたものの、徐々に社会科学の各分野の統合に向けた研究を行うようになります。特に、情報やメディア、コミュニケーションの研究に取り組むようになり、神戸情報大学院大学の非常勤講師も務めています。また、東京大学教授として在任中、臨時教育審議会の専門委員にも就任し、同大学において教養学部の改革にも関与しました。しかし、1988年には教員人事に関連するいわゆる「東大駒場騒動」が発生し、教養学部改革は頓挫しました。

著作

公文俊平は多くの著書を執筆しています。代表的な著作としては、1974年に出版された『一般システムの諸類型 - 社会システム論のために』や、1978年の『社会システム論』があり、これらは彼の専門分野における重要な作品です。また、同年には『転換期の世界』を出版し、続けて1988年には『ネットワーク社会』を発表しました。

さらに、1994年に発表した『アメリカの情報革命』や『情報文明論』も評価されています。2001年には『文明の進化と情報化 - IT革命の世界史的意味』を、2004年には『情報社会学序説 - ラストモダンの時代を生きる』が続き、2011年には『情報社会のいま - あたらしい智民たちへ』が出版されました。

共同著作と翻訳

公文氏は他の研究者との共同著作も多く手がけています。特に、村上泰亮や衛藤瀋吉と共著した書籍は、経済学や社会学の分野で影響力があります。『現代経済学（10）経済体制』や『国際関係論』などが代表例です。さらに、翻訳書としても『ソ連経済』や『大学闘争の戦略と戦術』などがあり、学術書だけでなく社会の様々な問題についての理解を深めるための寄与も行っています。

公文俊平は、情報社会や社会システムに関する深い知見を持ち、日本の社会学界において重要な役割を果たしています。彼の研究や著作は、現代の社会的な課題を考える上で、貴重な資源となっています。

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