公設秘書

公設秘書について

公設秘書（こうせつひしょ）は、日本の国会において、国費で賄われる給与を受け取る国会議員の秘書を指します。公設秘書は政策担当秘書、公設第一秘書、公設第二秘書の3つの役割があり、これらは国会法によって定められています。公設秘書の身分は特別職国家公務員として位置づけられています。

公設秘書の種類

1. 政策担当秘書
国会法第132条第2項に基づき、議員はその政策立案や立法活動を支援するために1人の政策担当秘書を置くことができるとされています。この秘書は資格試験に合格、または選考を通過した者のみが採用可能です。仮にこの秘書を置かない場合、議員は国からの給与相当額の歳費加算を受けられません。

2. 公設第一秘書 および 公設第二秘書
同じく国会法第132条に従い、議員はその職務を支援するためにそれぞれ2名の公設秘書を選任することが認められています。この二名には特別な資格は求められません。

身分と雇用形態

公設秘書は各議員によって任免され、その給与は議員の所属する院から支払われます。公設秘書は議員の直接的指揮下で勤務しますが、所属する院の指揮には従いません。通行記章は議員ではなく、その所属院から発行され、健康保険も議員の所属院が事業主として扱います。このため、公設秘書は法的に曖昧な立場にあると言えます。

職務内容

公設秘書の主な職務は、国会議員の活動を補佐することです。ここでいう活動とは、議員としての職務に関連するものであり、議会での業務がこれには含まれます。党内の仕事や政治活動についても、秘書が関与することが一般的ですが、これらは本来議員としての職務ではないため、明確な境界が必要です。

秘書給与の問題

公設秘書に関連する問題として、過去には秘書給与詐取事件が発生しています。一部の秘書が勤務実態のない状態で、偽の書類を提出し給与を不正に受け取る事件が報じられました。また、議員が秘書に対して寄付を強要する行為も問題視されており、政治資金規正法の下で厳格に禁じられています。

兼職とその影響

2004年の法律改正により、公設秘書の兼職は原則として禁じられました。ただし、国会議員が問題ないと認めれば例外的に許可されるため、兼職が行われるケースもあります。このような状況に対しては厳しい視線が向けられ、議論が続いています。

近年の動向

最近では、各議員が公設秘書を兼務している実態が問題とされており、調査の結果552名の公設秘書の雇用情報が非公開であったことが明らかになっています。この問題に対し、議員の雇用情報の透明性確保のため、文書の提出義務が強化されています。

まとめ

公設秘書は国会議員の重要なサポート役である一方、その制度には多くの問題や改善の余地が存在します。公設秘書の役割、身分、給与や兼職に関する規定は、国会議員の業務運営に深く関わり、政治活動の公平性や透明性に影響を与える巨大な枠組みとなっています。今後もこの制度の透明性向上に向けた取り組みが求められます。

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