六ヶ所村核燃料再処理事業反対運動

六ヶ所村核燃料再処理事業反対運動

六ヶ所村核燃料再処理事業反対運動は、青森県六ヶ所村で行われている日本原燃の核燃料サイクル事業に対する強力な反対の声が集まったものです。特に、2008年からの本格稼働が予定されていた六ヶ所再処理工場に対する懸念が高まっています。この運動は様々な形で行われており、訴訟や出版物、映画制作、講演会など多岐にわたります。

反対運動の主な活動内容

核燃サイクル阻止1万人訴訟

この運動は、「原子力発電は極めて危険であり、その推進者たちの言葉には信頼できないものが多い」という立場から、再処理工場を含む4施設の認可取り消しを求めて提訴しました。最高裁判所での敗訴が確定し、様々な訴訟が並行して行われています。地下水汚染や耐震性の問題などが焦点となりましたが、裁判所は一部のデータ隠蔽を認めながらも控訴は棄却されました。

STOP ROKKASHO

著名な音楽家である坂本龍一が中心となるこのグループは、ポピュラー文化を通じて反対の意志を表明しています。特に『ロッカショ：2万4000年後の地球へのメッセージ』という書籍も話題となり、エネルギー戦略研究会などからは、その内容に対する反論が出されています。

六ヶ所村ラプソディー

鎌仲ひとみによって制作された映画『六ヶ所村ラプソディー』も反対運動の一環です。この映画は中立的な立場を装って有名な反原発論者の講演会と共に上映会が行われ、多くの支持を集めています。

グリーンピース・ジャパン

国際的環境保護団体であるグリーンピースは、六ヶ所再処理工場による放射能の影響を懸念し、具体적으로は年間で1万5000人のガン死亡者が増える可能性があるとの報告を発表しました。

反対の全国ネットワーク（阻止ネット）

このグループは日本の食糧自給率向上を目指し、賛同団体と共に37万9,469筆の署名を集めるなど積極的な活動を展開しています。「汚染された食品を食べない運動」の枠を超え、消費者と生産者が連携して放射能汚染を防ぐことに主眼を置いています。

パタゴニアの取り組み

アウトドア製品で知られるパタゴニアも再処理事業に反対の姿勢を表明し、関連情報をウェブサイトに掲載しています。

議論の内容

反対運動の中で特に目立つのは、六ヶ所再処理工場から排出される放射能が原発1年分に相当するという主張です。この主張に対して電気事業連合会は、放射性物質の排出量は非常に少ないと反論しています。また、青森県による米や魚の汚染予測もありますが、これに対しても様々な反論が存在します。

科学的議論

放射能が基準を越える影響を及ぼす可能性を崩すことが反論とされている一方、放射能による健康への影響に関しては明確な結論は出ていません。国際的な基準や見解も様々で、かなりの議論を生んでいます。不安定なプルトニウムを扱うため、自然災害など事故の危険も強調され、さらにはアメリカの核政策とも関連づけられることがあります。

結論

六ヶ所村の核燃料再処理事業反対運動は、日本国内外での核エネルギーに対する意識を高める一方、科学的な議論が続いています。さまざまな視点からの見解をもとに、今後の動向に注目が集まります。

もう一度検索