六ヶ所再処理工場

六ヶ所再処理工場とは

六ヶ所再処理工場は、日本原燃が所有する、使用済み核燃料を再処理するための重要な施設です。青森県上北郡六ヶ所村の弥栄平地区に位置し、利用済み核燃料からウランやプルトニウムを取り出すことを目的としています。当工場の最大年間処理能力は800トンに達し、使用済み燃料の貯蔵容量は3000トンです。2006年からは使用済み核燃料を用いたアクティブ試験も開始され、実際の運用に向けた準備が進められてきました。

この工場は、茨城県の東海村にある日本原子力研究開発機構の再処理工場に代わる施設とされており、周辺にはウラン濃縮工場や廃棄物処理施設も併設されています。このようにして、核燃料サイクルを形成するための拠点となっています。さらに、フランスの実機訓練を通じて技術協力を受けているほか、国際原子力機関の査察も定期的に行われています。

竣工の経緯

六ヶ所再処理工場は1993年に着工され、初めは1997年の完成を予定していましたが、多数のトラブルにより26回もの延期を余儀なくされました。例えば、2017年には建屋に雨水が流入した問題が発覚し、建設の進行が厳しい状況となりました。これにより原子力規制委員会は安全審査を一時中断せざるを得ませんでした。予定していた建設費用も当初の7600億円から、大幅に膨れ上がり、最終的には14兆4千億円に達する見込みです。

2020年には新規制基準への適合が認められ、工場の稼働に向けた進展がみられましたが、2024年度の完成予定がさらに2年半延長されるなど、長い道のりが続いています。また、併設されるMOX燃料工場も同様に延期が続いており、2027年度中の完成予定となっています。

MOX燃料工場

MOX燃料工場は、プルトニウムとウランを混合したモックス燃料を製造するための施設です。2020年12月には原子力規制委員会から安全対策が認められ、建設工事が再開されました。これにより、核燃料サイクルの更なる促進が期待されています。

安全性と環境への影響

事業開始にあたり、六ヶ所村を含む周辺地域との安全協定が結ばれました。2006年から開始されたアクティブ試験では、使用済み核燃料からプルトニウムの抽出を行い、工場の安全性を確認しています。年毎の放出計画では、放射性物質の環境への影響を考慮した事故対策が講じられています。

国は、放出される放射性物質について、希釈が進むため人体に影響はないと主張している一方で、地域住民の中には不安を感じている人も多く、実際の影響についての評価は分かれています。特に、ヨウ素129が海藻に蓄積されるため、海洋生物への影響が懸念されています。

事故とトラブル

過去には、廃液漏洩や作業員の軽微な内部被曝などのトラブルが発生しています。特に、2006年には複数回にわたり放射性物質の漏洩が報告され、法令遵守の観点から厳しいチェックが求められています。これらのトラブルは作業環境の安全性や管理体制の見直しを促す要因となっています。

結論

六ヶ所再処理工場は、日本の核燃料サイクルのCにおいて中心的な役割を果たしていますが、長期にわたる建設の遅延や安全性への懸念は地域住民や関係者に影を落としています。今後の進展と共に、環境や安全面への配慮が求められます。

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