六法やぶれクン

六法やぶれクンについて

『六法やぶれクン』は、1969年4月から9月まで名古屋放送が製作し、日本テレビ系列で放送されたテレビアニメです。この作品は、佐賀潜の著作『民法入門』を原作としており、生活における法律の基本的な知識を分かりやすく伝えることを目的としています。全110話で構成され、各話はわずか5分で短いながらも、法律を身近に感じさせるストーリー展開が特徴的です。

ストーリーと構成

主人公の六法クンが様々な法的トラブルに巻き込まれる日常を描き、視聴者に法律の重要性と理解を促します。物語は法律条文を基にサブタイトルが設定されており、視覚的にも聴覚的にも法律知識が楽しく学べるような工夫がされています。また、ヨハン・ゼバスティアン・バッハの名曲『トッカータとフーガニ短調』に合わせて法律が示されるという演出は、視聴者に強い印象を残しました。このような独自の形式は当時としては非常に新しい試みであり、教育的な内容を持ちながらもエンターテインメント性を兼ね備えています。

放送の背景

『六法やぶれクン』は、在名テレビ局が初めて自社製作したアニメであり、キー局以外が放送した初の深夜アニメでもあります。放送は1969年の春から秋にかけて行われ、23時10分から23時15分という特異な時間帯でした。また、アニメが放送された後、名古屋テレビ製作の作品は1977年に『無敵超人ザンボット3』が放送されるまで、8年間存在しませんでした。深夜アニメの放送自体もその後20年間途絶えましたが、1986年から徐々に復活し、1990年代には各局で放送されるようになりました。

キャストとスタッフ

本作のキャストには、主人公の六法やぶれを演じる富山敬や代役の愛川欽也、ナレーターの仲村秀生、条文朗読の千葉耕一が名を連ねました。制作スタッフには、原作・監修を佐賀潜が、演出を岡部英二が担当しており、作画監督には北原健雄、美術監督には小林七郎が名をつらねています。また、音楽は小山恭弘が手がけ、主題歌「六法（ろっぽう）やぶれクンのテーマ」は東京ムービー企画部が作詞を担当しました。

放送局とネットワーク

本作は名古屋を拠点に中京広域圏を中心に放送され、北は北海道、南は福岡まで合計23局でネットされました。各地域の放送局では、異なる時間帯にアニメを放送しており、地域ごとの視聴者に対しても楽しめるような工夫がなされていました。

映像ソフトとその後

『六法やぶれクン』の全話のソフト化は行われていないものの、1999年には一部のオープニングテーマが収録されたVHSやLDが発売されました。しかし、2015年にはDVDとして主題歌が収録されないなど、扱いに差が見られることもありました。特別企画として2014年にはアニマックスで一部がアップデートされ放送されるなど、当作品の再評価が進められています。

まとめ

『六法やぶれクン』は、今なお日本のアニメ史に名を刻む作品として、多くの視聴者に法律を親しみやすく伝えたことが評価されています。法律に対する理解を深めるだけでなく、エンターテインメントとしても印象深い作品であると言えるでしょう。

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