六甲アイランド南

六甲アイランド南の開発について

六甲アイランド南は神戸市東灘区に位置する埋め立て中の人工島で、現在、大阪湾フェニックスセンターによるフェニックス事業が行われています。この事業の主な目的は廃棄物を処理することです。面積は88ヘクタール、埋め立ての容量は1500万立方メートルに及び、2030年の完成を予定しています。

この地域には大規模なコンテナターミナルの設置が計画され、さらにはウォーターフロントの再開発や緑地の設置、六甲ライナーの延伸も考慮されています。また、加工業者の誘致を通じて神戸港の利用を促進させる狙いも持っています。

神戸市は2017年に開港150年記念式典を行い、2040年を目指す「神戸港将来構想」を発表しました。この構想の中では、六甲アイランド南に国際海上貨物の積み替え拠点、すなわち「神戸港ロジスティクスターミナル」の設立が計画されています。このターミナルは、グローバルなサプライチェーンの要となり、新たな価値を提供することを目指しています。

港湾・産業とにぎわい・都市の融合

「神戸港将来構想」には二つの主な目標があります。一つは「港湾・産業」の面で、グローバルなサプライチェーンの中で新しい価値を生み出すことです。もちろん、国際競争力を持つ港湾物流拠点の整備は急務です。二つ目は「にぎわい・都市」に関する目標で、ラグジュアリーな体験を提供することで新たな魅力を持つ都市を作ることです。

神戸港は1995年に大型コンテナ船が寄港できる港湾施設の整備計画を立てましたが、阪神淡路大震災の影響で財政状況が悪化し、計画は一時凍結されました。しかし、貨物量の増加やアジアのハブ港との競争が激化し、計画の見直しが求められました。そして、2020年度には「神戸港港湾計画」においてこの問題に対処することが予定されています。

神戸港では、物流施設を設けたい企業からのニーズが高まり、用地が不足している状況です。このままでは輸出入機能の利便性が低下し、兵庫県内の企業が県外に流出する恐れがあります。そこで、六甲アイランド南を拠点として国際的な物流拠点を確立することが急務となっています。現在、コンテナターミナルはポートアイランドと六甲アイランドに分散して存在していますが、最近の運航コスト削減の流れから、これらを集約・再編・増設する必要性が強調されています。

六甲アイランド南の未来

六甲アイランド南に集約されたコンテナターミナルは、効果的に用地を活用できるようになります。また、ポートアイランドや六甲アイランドでは、それぞれの借地期間が今後30年以内に満了するため、新たな用地を確保する余地があります。これらの計画により、港湾施設の再編を進め、「港湾・産業」と「にぎわい・都市」の両面で、神戸港の持続的な発展を支える用地が確保されるのです。

また、全国初の流通から製造までを一貫して行うターミナルの実現に向け、専門家による中期の港湾計画が策定されています。今後10年以内には人工島の埋め立てが進んだ部分に大規模ターミナルが整備され、効率的な荷役を実現するために人工知能を導入することも視野に入れています。

国際物流の拠点としての展望

現在、中国から東南アジア諸国への生産機能を移転する動きが進んでおり、それに伴って北米向けの貨物が増加しています。この国際物流の動向を踏まえて、神戸港はASEAN域外でのトランシップ拠点としての役割を担う可能性があります。地理的な優位性を生かし、特に東南アジアやインド地域からの貨物を北米へと再輸出する機能を持つ港としての展望が描かれています。

結論

六甲アイランド南の開発はただの埋め立てに留まらず、未来の港湾物流の中心地として重要な役割を果たすことが期待されています。神戸市はこの計画を進め、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを続けています。

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