六角大王

六角大王とは



六角大王は、森田利広氏と古島終作氏によって開発されたパーソナルコンピュータ向けの3DCGソフトウェアです。当初はモデリングに特化したソフトウェアとして開発されましたが、レンダリング機能も備えています。

概要



1992年にPC-9801シリーズ向けに発表されたのが始まりで、元々は漫画やイラストを3D化することを目的としたソフトウェアでした。その後、Macintosh版のフリーソフトが好評を博し、1998年以降は製品版である「六角大王Super」が販売されるようになりました。

PC-9801版は、当初「まんが画像学会」というサークル名でソフトベンダーTAKERUから製品版として発表されました。その後、開発者の古島氏が学業を終えたことを機に販売を終了し、フリーソフトとして再リリースされました。この初期バージョンでは、左右対称の図形のみが生成可能で、点を線で結ぶことによって図形を作成する方式を採用していました。ポリゴンによる3Dモデリングツールとは異なり、描画過程を記録し再生する機能が特徴的でした。

操作方法は独特で、画面デザインもシンプルなものでしたが、直感的で比較的容易に操作できるインターフェースでした。まず、「描画モード」で立体化する顔などの下絵を描き、目や鼻、唇などの頂点となる箇所に左右対称となるように青または赤の点を打ちます。次に、入力された左右対称の点を直線で結ぶと、星を線で結んで星座を描いたような図形が生成されます。「表示モード」に切り替えてレンズの歪みなどを設定すると、描いた絵がマウスの動きに合わせて回転する仕組みでした。ワイヤーフレームでしか描画できませんでしたが、レンズの歪みを調整することで曲[[線]]として表現することができ、後のバージョンとは異なる独特な表現が可能でした。厳密には立体空間の演算を行っているわけではありませんが、平面に描かれた絵の三次元上における左右対称の点と、顔の向きや傾きなどの値を基に三次元空間を構築し、擬似的な3D描写を実現していました。


その後、MacintoshやWindows向けのフリーソフト版が開発され、アーキテクチャは大幅に変更されましたが、お絵描き感覚で操作できるという特徴は継承されました。3Dポリゴンの採用により、このバージョンからモデリングツールとしても利用されるようになりました。ファイル拡張子は同じですが、仕様が根本的に異なるため、PC-9801版との互換性はありません。ただし、お絵描きの再生機能を活用したデモとして制作された「おじさん」は、六角大王のアイコンとして現在まで引き継がれています。

Macintosh及びWindows版のフリーソフトは、テクスチャの貼り付けやレンダリングに制限がありましたが、フリーウェアであることとドローソフトのような操作感が評価され、広く利用されました。上位互換性を持ち、大幅に機能拡張された製品版「六角大王Super」は、株式会社終作から販売され、DXF形式やLightWave形式など、他のソフトウェアのファイルとの互換性も確保されました。操作性の高さから、ゲームのリアルタイム用ポリゴンモデルの制作にも利用されることがあります。

歴史





名前の由来



開発者の古島氏と森田氏が旅行先で地酒「八面大王」を注文しようとした際、「六角大王」と間違えたことが名前の由来であると言われています。また、「六角大王」というソフト名は、PC-9801シリーズ用フリーソフト版にのみ隠しメッセージとして記録されていました。

外部リンク



Shusaku（株）終作 さし絵スタジオと六角大王Super

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