六試特殊爆撃機

六試特殊爆撃機とその発展

六試特殊爆撃機（ろくしとくしゅばくげきき）は、大日本帝国海軍が開発した急降下爆撃機であり、特に1930年代初頭の航空技術の進展を象徴しています。加えて、本機の改良型である七試特殊爆撃機（ななしとくしゅばくげきき）についても言及します。

開発の背景

1930年、海軍技術研究所の長畑順一郎技師は、急降下爆撃機に関する情報を収集するためにアメリカに渡りました。特にカーチス社製のSBCを参考にし、帰国後には艦載可能な急降下爆撃機の開発に着手することが決まりました。彼のもとで、海軍航空廠が中心となり、六試特殊爆撃機の設計が進められました。

機体の製造は1931年、中島飛行機に発注されました。設計の詳細は、技師の山本良造の指導のもとで進められ、1932年に試作機1号機と2号機が完成しました。試飛行は同年の9月に行われ、その後、海軍は急降下爆撃の研究を進め、操縦性や安定性に関する問題点が明らかになりました。

機体の構造

六試特殊爆撃機は複葉機の設計であり、木金混合素材を用いた骨組みに羽布張りの外装が施されています。降着装置は固定脚を採用し、急降下中の安定性を向上させるために、下主翼が上主翼よりも前方に配置された逆スタッガー翼という特殊な翼型が用いられました。

この設計には工夫が施されましたが、最終的には期待された効果を得ることができなかったとされています。また、正式には「特殊練習機」として扱われるも、本機の呼称は開発関係者によるものでした。

七試特殊爆撃機の開発

六試特殊爆撃機の開発後、海軍航空廠と中島飛行機はさらなる改良を施した七試特殊爆撃機の設計に取り掛かりました。このモデルではエンジンの変更と逆スタッガー翼の廃止が行われました。1932年11月に試作機が完成し、審査が行われましたが、試験中に中島社内で墜落事故が発生し、テストパイロットが殉職しました。この事故により、審査は中止されましたが、機体の改良の余地は残され、次なる八試特種爆撃機の開発が始まるきっかけとなりました。

また、七試特殊爆撃機の墜落事故に関して、六試特殊爆撃機に起因するという誤った情報も一部で流布されています。

結論

六試特殊爆撃機は、大日本帝国海軍の航空機技術の中で重要な位置を占める存在であり、その後の航空機設計に多くの影響を与えました。急降下爆撃機の研究と実装は、海軍の航空戦力強化に向けた重要なステップであり、後の試作機の開発に寄与しました。

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