共同映画

共同映画株式会社は、1950年10月1日に労働組合映画協議会の事業活動部門として創立された、日本の映画会社です。そのルーツは、1946年6月に国鉄労働組合など40以上の労働組合によって設立された「労働組合映画協議会」にあります。当初は労働組合の活動を支援する映画製作が中心でしたが、後に株式会社化され、幅広い映画事業を展開するようになりました。

教育映画分野への進出

1953年、共同映画は教育映画分野に進出しました。そのきっかけとなったのは、月の輪古墳の発掘運動をテーマにしたドキュメンタリー映画『月の輪古墳』の普及活動です。この映画の成功により、教育的な価値を持つ映画の製作・配給にも力を入れるようになりました。

株式会社化と親子映画運動

1963年8月12日、共同映画は株式会社として登記されました。そして1966年、埼玉県大宮市の子ども会での上映会で、ピョートル・エルショーフの童話『せむしの仔馬』を原作としたアニメーション映画『せむしのこうま』を上映したことが、同社の活動に大きな転換をもたらしました。この上映会を機に、「親と子のよい映画を見る会」運動を全国に広げ、親子で楽しめる映画の普及に力を注ぐようになりました。

全国配給網の構築

共同映画は、全国に配給網を構築しています。「共同映画全国系列会議」を組織し、北海道・東北・関東・中部・北陸・関西・沖縄地区は同社が、長野・新潟地区は有限会社長野映研が、中国・四国地区は中国共同映画株式会社が、そして九州地区は株式会社九州共同映画社が、それぞれ配給を担っています。この組織的な配給網によって、全国各地に映画を届けることが可能になっています。

業界団体への加盟

共同映画は、日本映画製作者協会に加盟しており、業界の一員として活動しています。また、同社の従業員が組織する共同映画労組は、映画演劇労働組合連合会に加盟しており、労働者の権利を守る活動も行っています。

関連事項

ピョートル・エルショーフ：ロシアの作家。代表作に童話『せむしの仔馬』。
イワン・イワノフ＝ヴァノ：ソ連のアニメーション映画監督。『せむしのこうま』の監督。

共同映画株式会社は、労働組合の活動支援から始まり、教育映画、親子映画の普及へと、時代とともにその役割を変化させてきました。現在もなお、映画文化の発展に貢献し続けています。

参考情報

公式ウェブサイト
Kyodo Eiga Company Ltd. - Internet Movie Database (英語)

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