共和党 (ドイツ)

ドイツ共和党（REP）とは

ドイツ共和党（Die Republikaner, REP）は、ドイツの右派政党です。過去には極右的な色彩を帯びていた時期もありましたが、近年は穏健化が進んでいます。本記事では、その歴史、政策、現状について詳しく解説します。

歴史

1983年、バイエルン州で、ドイツキリスト教民主同盟（CDU）/社会同盟（CSU）の保守的な政策に不満を持つフランツ・ハンドロスらによって結成されました。その後、ナチス親衛隊（SS）の伍長であったフランツ・シェーンフーバーが党首に就任すると、フランスの国民戦線の影響を受け、反共産主義に加えて反米を掲げるようになり、メディアからは極右と見なされるようになりました。

1989年には西ベルリン市議会議員選挙で5%阻止条項を突破し、市議会入りを果たし注目を集めました。同年の欧州議会選挙でも議席を獲得し、戦後西ドイツで初めて全国レベルの選挙で議席を獲得した極右政党となりました。

しかし、ドイツ再統一後は有権者の支持を得られず、選挙で連敗が続きました。党内でもシェーンフーバーを穏健過ぎるとする急進派との内紛が生じました。1992年と1996年にはバーデン＝ヴュルテンベルク州で州議会入りを果たしましたが、1995年にシェーンフーバーが離党し、党首はロルフ・シリエレルに代わりました。

現状

2012年現在、連邦議会・州議会の双方に議席を有していませんが、南ドイツの自治体を中心に議席を保持しています。1992年から極右的傾向を有する政党として連邦憲法擁護庁の監視対象となりましたが、2006年に解除されています。ドイツ国家民主党などからは政党連合の結成を度々持ちかけられていますが、協力関係は持っていません。一方でドイツ社会同盟とは協力する動きもあります。

国際的には、過去にフランスの国民戦線（現・国民連合）やベルギーのフラームス・ブロックと関係を結び、欧州議会で会派を組んだこともありましたが、現在は連携を持っていません。

政策

ドイツ再統一を強く求めていましたが、実現後は旧ドイツ東部領土の回復を主張するようになりました。

経済政策では、官僚機構の削減（小さな政府論）を唱え、社会福祉や中小企業の保護を図る社会的市場経済を主張しています。シェーンフーバー時代には、福祉国家の縮小化や労働組合への敵視を主張していました。社会政策においては、貧困対策として外国人労働者の帰国促進や、難民収容所の縮小を主張しています。

欧州統合については、マーストリヒト条約以降は欧州連合を連邦化に至るものとして反対し、ドイツの国家主権を尊重した上での国家連合を提唱しています。

党首

フランツ・ハンドロス (1983–1985)
フランツ・シェーンフーバー (1985–1994)
ロルフ・シリエレル (1994–2014)
ヨハン・ゲルトナー (2014–2016)
ケヴィン・クリーガー (2016–2019)
ミヒャエル・フェルゲンホイアー (2019)
* ティロ・シェーネ (2019–)

まとめ

ドイツ共和党は、過去には極右的な色彩を帯びていた時期もありましたが、近年は穏健化が進んでいます。今後の動向が注目される政党の一つです。

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