共和国広場 (ベオグラード)

共和国広場：ベオグラードの中心

共和国広場は、セルビアの首都ベオグラードの中心部に位置し、スタリ・グラード区にあります。この広場は、ベオグラード国立博物館、ベオグラード国立劇場、ミハイロ・オブレノヴィッチ3世の像など、ベオグラードを象徴する重要な建造物に囲まれています。

位置

共和国広場は、ベオグラードの中心とされるテラジイェ広場からわずか100メートルほどの距離にあり、コラルチェヴァ通りとクネズ・ミハイロヴァ通りで結ばれています。そのため、共和国広場がベオグラードの中心部であると誤解されることも少なくありません。広場の西側はヴァシナ通りを通じてカレメグダン公園に、東側はスレムスカ通りを通じてゼレニ・ヴェナツ地区やノヴィ・ベオグラード区へと繋がっています。広場の北側はスタリ・グラード区とドルチョ区の境界となっています。2002年の調査では、この広場を中心とした地区には2,360人が居住しています。

歴史

広場の歴史は1866年、スタンボル門の取り壊しから始まりました。1869年にはベオグラード国立劇場が建設されています。スタンボル門は18世紀初頭にオーストリア人によって建てられましたが、オスマン帝国統治時代には、非ムスリムに対する串刺し刑の場所として、人々に恐れられていました。1806年の第一次セルビア人蜂起の際には、指導者の一人であるヴァサ・チャラピッチがこの地で致命傷を負いました。彼の功績を記念し、広場近くの通りやモニュメントには彼の名が付けられています。

スタンボル門の取り壊し後、その跡地は長らく利用されませんでしたが、国立劇場だけは当時から存在していました。1945年の共産主義体制発足まで、広場はポゾリシュニ（劇場）広場と呼ばれていました。1882年にミハイロ・オブレノヴィッチ3世の像が建てられると、周辺には多くの建物が建設されるようになりました。国立博物館の場所には、ダルダネリ・レストランが入居する平屋建ての長屋があり、芸術家たちの交流の場となっていました。1903年に長屋が取り壊された後、財務省庁舎への道路となり、この庁舎が現在の国立博物館となっています。国立劇場の隣には、イリヤ・ミロサヴリェヴィッチ＝コララツが経営するコララツ・レストランと映画館がありました。1930年にはリウニオネ宮殿（現在のヤドラン映画館）が建設され、プレス・ハウスの場所には第二次世界大戦前まで多くの店が入った長屋が建っていました。

第二次世界大戦とその後

1941年4月6日のドイツによる空爆で、広場の建物は大きな被害を受けました。第二次世界大戦後には路面電車の線路が撤去され（それまでは広場が終点でした）、広場には1944年のベオグラード解放の戦いで亡くなった赤軍兵士を追悼するモニュメントが建てられました。その後、広場最大の建物となるプレス・ハウスが建設され、レストランと国際プレス・センターが入りました。

オペラ騒動

国立劇場の向かい側、現在のゾラン・ジンジッチ博士広場一帯は、将来的にオペラ座の建設予定地とされていました。しかし、2000年代に入り、政府は1989年に建設されたショッピングモール「スタクレナツ」を取り壊し、画廊を建設することを決定しました。オペラ座は、ノヴィ・ベオグラード区のウシュチェ地区に建設されることになりましたが、この決定は一般大衆やオペラ関係者、建築家、芸術家から強い反発を受けました。

抗議運動

共和国広場は、1991年3月9日の反ミロシェヴィッチ集会、1996年から1997年の学生による抗議運動、2000年10月の民主化を求める集会など、市民による抗議運動の中心地となってきました。ヴク・ドラシュコヴィッチは広場の名前を「スロボデ広場（自由広場）」に改名することを求めましたが、実現には至っていません。

特徴

共和国広場は、ベオグラードで最も賑やかな場所の一つであり、ビジネス地区の中心として機能しています。また、主要な交通網が交わる交通の要衝でもあります。20以上のバスやトロリーバスの路線が広場を通っています。

広場からは、歩行者天国であるクネズ・ミハイロヴァ通りが伸びており、ベオグラードの商業地区の中心を担っています。反対側には、1989年に建設されたショッピングモール「スタクレナツ」があります。スタクレナツ前の空き地は、暗殺されたゾラン・ジンジッチ首相にちなんで、「ゾラン・ジンジッチ博士広場」と名付けられました。

ミハイロ公の像

広場には、イタリアの彫刻家エンリコ・パッツィによって制作された、ミハイロ・オブレノヴィッチ3世の騎馬像があります。この像は、セルビアからトルコ人を追放し、オスマン帝国の支配下にあった7つの都市を解放したミハイロ公を称えるために建てられました。台座には解放された都市の名前が刻まれており、ミハイロ公はイスタンブールを指差し、トルコ人に立ち去るよう命じているとされています。しかし、実際にはミハイロ公の指は北東を向いています。長い年月を経て、この像は「乗馬像」（kod konja）と呼ばれるようになり、広場のシンボルとなっています。

時計

2000年には、デルタ・ホールディングの出資により、ミレニアム・クロックと呼ばれる現代的な時計が設置されました。時計は高い位置に設置され、現在の天気も表示されます。

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