共産主義再建党

イタリア共産主義再建党(PRC)の歴史と活動

イタリア共産主義再建党(Partito della Rifondazione Comunista, PRC)は、イタリアにおける重要な左翼政党です。本稿では、その歴史、主要な人物、選挙結果、そして日本共産党との交流について詳細に解説します。

結党と初期の活動

1991年、東西冷戦終結後の情勢変化を受け、イタリア共産党(PCI)は社会民主主義への転換を決定しました。この決定に反対するPCI左派は、アルマンド・コッスタ上院議員らを中心として「共産主義再建運動」を立ち上げました。この運動は、PCI内外の左翼勢力を結集し、1991年12月、共産主義再建党(PRC)の結党へとつながりました。

初代党議長にはコッスタ、初代書記長にはセルジオ・ガラヴィーニ下院議員が就任。翌年の総選挙では、下院35議席、上院20議席を獲得し、躍進を遂げました。1993年には、左翼民主党(PDS)からファウスト・ベルティノッティ下院議員がPRCに入党。

ベルティノッティ時代と党内対立

1994年、ベルティノッティが書記長に就任すると、PRCは新たな転換期を迎えました。「革新同盟」への参加や、様々な社会運動との連携など、積極的な活動を展開しました。しかし、1998年には、左翼民主党の更なる穏健化を巡り、党内対立が激化しました。ベルティノッティ書記長は閣外協力を主張した一方、コッスタ党議長は左派政権維持を訴え、結果としてコッスタはPRCを離党し、イタリア共産主義者党(PdCI)を結成しました。

21世紀のPRCと衰退

2000年代に入ると、PRCは「オリーブの木」などの左派連合に参加しながらも、党内には様々な派閥が存在し、内紛が繰り返されました。2006年の総選挙では、左派連合「ルニオーネ」に参加し、過去最大の議席数を獲得。ベルティノッティは下院議長に選出され、フランコ・ジョルダーノが書記長に就任しました。しかし、2007年にはレバノン侵攻問題などを巡り再び党内対立が激化し、多くのメンバーが離党しました。

2008年の総選挙では惨敗を喫し、ベルティノッティは政界を引退。その後もPRCは、他の左翼政党との連携を試みましたが、支持率は低迷を続けました。2017年にはマウリツィオ・アチェルボが書記長に就任し、現在に至っています。

日本共産党との交流

PRCと日本共産党は、相互に党大会への来賓参加やメッセージの交換など、交流を続けてきました。日本共産党からは、しんぶん赤旗の特派員がPRCの党大会に出席するなど、両党間の良好な関係が構築されています。

まとめ

PRCは、イタリア共産党(PCI)の分裂から誕生した政党であり、イタリア左翼政党の歴史において重要な役割を果たしてきました。しかし、党内対立や選挙における苦戦など、数々の困難を経験してきました。現在も、イタリアの左翼政治に影響を与え続ける存在であり、その動向は今後も注目されます。 イタリアの政治状況や左翼勢力の変遷を理解する上で、PRCの歴史と活動を深く知ることは不可欠です。今後のPRCの動向に注目し、イタリア政治におけるその役割を分析していくことが重要です。

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