閣外協力

閣外協力について

閣外協力とは、内閣に国務大臣を持たずに、政策協定を結んで与党として連立政権に参加する形態を指します。この制度は、政党間の協力や連携を通じて政府運営を支える手法として、日本国内外で用いられています。

日本における閣外協力の例

日本において、閣外協力は何度も実施されてきました。以下に、正式な政策協定に基づく主な例を挙げます。

• - 第5次吉田内閣の改進党: 自由党政権下で、改進党が閣外協力を行いました。
• - 第2次大平内閣の新自由クラブ: 自由民主党政権のもと、新自由クラブが閣外協力をしました。
• - 羽田内閣の新党さきがけ・新党みらい: 非自民・非共産連立政権時に、新党さきがけと新党みらいが協力を結びました。
• - 第2次橋本内閣・第2次橋本改造内閣の社会民主党・新党さきがけ: 自社さ連立政権で、社会民主党と新党さきがけが閣外協力を行いました。

さらに、正式な政策協定は結ばれていないものの、以下のような与党側への参加事件もありました。

• - 村山内閣における自由連合: 自社さ連立政権時の一例です。
• - 小渕第2次改造内閣の改革クラブ: 自自公連立政権で、改革クラブが与党に参加しました。
• - 麻生内閣の改革クラブ: これは第1次森内閣とは別組織の改革クラブにあたります。
• - 鳩山由紀夫内閣や菅直人内閣における新党日本、新党大地: 民社国連立政権やその後の民国連立政権で新党が関与しました。
• - 第3次安倍第2次改造内閣の新党大地・日本のこころ: こちらも自公連立政権の一部としての協力が見られます。

海外における閣外協力

日本だけでなく、海外でも閣外協力がみられます。

• - イギリスでは、1886年に第2次ソールズベリー侯爵内閣のもとで自由統一党が閣外協力を行い、2017年には第2次メイ内閣に民主統一党が参加しました。
• - ギリシャでも、2012年には全ギリシャ社会主義運動が閣外協力を選択しました。

Confidence and supply

英語では「Confidence and supply（信任と予算）」と呼ばれる概念で、政府に対する信任や予算案に賛同する協定を結ぶことを指します。この仕組みは、部分連合よりも深い協力を示しつつ、与党には含まれません。

少数与党が信任を維持するためには、このConfidence and supplyの協定が重要です。いくつかの国ではこの制度が導入されており、日本でも2017年から2019年にかけて、イギリスの民主統一党が保守党政府に対してこの形式で閣外協力を行いました。

また、ニュージーランドのヘレン・クラーク首相の労働党政権や、1980年代のオンタリオ自由党政権も他党のConfidence and supplyを受けて少数与党内閣を組織しました。

結論

このように、閣外協力は政党間の協力を促進し、実際の政策決定に影響を及ぼす重要な仕組みとして機能しています。日本や海外の具体例を通じて、政治における連携の形態を理解することができます。

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