共産主義政党調査特別委員会

共産主義政党調査特別委員会とは

共産主義政党調査特別委員会は、アメリカ施政権下の沖縄における立法府、立法院に設置された特別委員会です。1950年代、アメリカ本国を席巻したマッカーシズムの嵐は、沖縄にも例外なく吹き荒れました。米国民政府の高官たちは、頻繁に反共的な発言を繰り返し、沖縄人民党を「共産主義政党」と断定し、その非合法化を強く主張していました。

このような状況下、1954年8月31日、与党であった琉球民主党は、星克議員の主導により、立法院に専門の特別委員会を設置することを決定しました。その目的は、「共産主義政党が琉球に存在するか否かを調査する」というものでした。

委員会は翌年4月まで継続的に開催され、本土の破壊活動防止法の運用状況や沖縄人民党の実態などが詳細に審議されました。その過程で、沖縄人民党と日本共産党との関係性が焦点となり、議論が重ねられました。

最終的に、委員会は「沖縄人民党と日本共産党は密接な関係にある」との結論を下しました。そして、委員長であった星克議員は、その結論を踏まえ、「共産主義運動防止に関する立法案」、通称「防共法案」を提出しました。

防共法案の内容

防共法案は、本土の破壊活動防止法を参考に作成されたもので、その内容は非常に厳しいものでした。この法案では、公安審査委員会に相当する「防共委員会」を設置し、「共産主義者」や「共産主義政党」の認定を行うことが定められていました。

そして、一旦「共産主義者」や「共産主義政党」と認定されてしまうと、その者や団体には重大な不利益が科せられることになりました。具体的には、認定された個人は公民権を剥奪され、外国との商取引が禁止されました。また、「共産主義政党」と認定された政党は、解散処分となることが明記されていました。

法案のその後と影響

しかし、この防共法案は、その内容の過激さから、立法院内で大きな反対を受けました。その結果、法案は立法化されることなく、見送られることになりました。

この特別委員会と防共法案は、当時の沖縄における政治状況や、アメリカによる統治の影響を色濃く反映した出来事でした。マッカーシズムという時代の波が、沖縄の政治にも大きな影響を与えたことを示す事例と言えるでしょう。

関連項目

マッカーシズム
星克
沖縄人民党
破壊活動防止法

この出来事は、沖縄の戦後史を理解する上で重要なポイントであり、現代社会における自由と民主主義について深く考えるきっかけにもなるでしょう。

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