共産主義者同盟 (1847年)

共産主義者同盟の歴史

共産主義者同盟（Bund der Kommunisten）は、1847年にロンドンで設立された国際的な秘密結社であり、1852年まで活動していました。この組織は主にマルクス主義の理念に基づいており、その活動は当時の社会運動に大きな影響を与えました。

創立の背景

共産主義者同盟は、元々正義者同盟（義人同盟）の改編によって誕生しました。この組織内では、ヴァイトリング派とその反対派との間に激しい対立が存在しました。反対派の中心にいたカール・シャッパーは、組織の再編成を進める中で、ヴァイトリング派や右派のグリューン派の影響力を排除しようと試みました。

1847年6月、ロンドンで開かれた共産主義者同盟の第1回大会は、シャッパーによって主導されました。彼の率いるシャッパー派は大会で主導的な役割を果たし、当時孤立していたマルクスとフリートリッヒ・エンゲルスに協力を求め、彼らを同盟に引き込むことに成功します。特にエンゲルスは代表として大会に参加し、マルクス派はシャッパー派の重要な協力者となりましたが、当初は主導権を持っていませんでした。

言葉の力

第1回大会では、同盟規約草案や綱領草案「共産主義者の信条」が提案されましたが、決定には至らず、さらに下部組織での議論が進められることになりました。この結果、1847年12月の第2回大会で遂に同盟規約が決められたものの、「信条」や新たな綱領案は採択されませんでした。そこでシャッパーは、マルクスとエンゲルスに綱領案の作成を再依頼し、1848年2月に「共産党宣言」が完成しました。この過程で、次第にマルクス派の理論的影響が強まりました。

活動の展開

「共産党宣言」の発表後、同盟は1848年革命に向けた活動を開始しましたが、期待したほどの効果を発揮することはできませんでした。1849年末には再び大会を開催し、機関誌『Neue Rheinische Zeitung Revue』の発行を続けましたが、1850年に不運な事件が発生します。ドイツの密偵によってマルクスの自宅から同盟員名簿が盗まれ、当局へ通報されました。この事件により多くの幹部が投獄され、内部の対立が激化しました。

結果として同盟は1850年末までに活動を停止し、1852年には正式に解散することになりました。

同盟の影響

共産主義者同盟のメンバーであったStephan Bornやラッサールなどは、ドイツ初の社会主義政党である全ドイツ労働者協会や労働運動を創設し、ドイツの政界に大きな影響を残しました。また、この同盟は共産主義政党や結社の原点と見なされており、日本やユーゴスラヴィアにおける同命の政党の起源ともなっています。

参考文献

• - 良知力著『マルクスと批判者群像』、平凡社選書、1971年

関連項目

• - 正義者同盟
• - 共産党宣言
• - カール・シャッパー

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