共産主義青年インターナショナル

共産主義青年インターナショナル（露: Коммунистический интернационал молодёжи; КИМ）は、1919年から1943年まで存続した青年の国際組織です。国際共産主義青年同盟や国際共産青年同盟、あるいはロシア語名の頭文字から「キム」とも呼ばれました。この組織は、各国における共産主義青年運動の組織化と指導、および世界的な革命運動における青年世代の役割強化を目的として、コミンテルンの設立後にその青年部門として発足しました。

創立大会は、コミンテルン第1回大会から約8ヶ月後の1919年11月20日から26日にかけて、ドイツのベルリンで開催されました。この大会で組織の綱領が採択され、活動の基本方針が定められました。初期のキムは、戦間期の混乱の中で、世界各地で発生した革命運動や労働運動と連携し、青年層の獲得を目指しました。

キムは存続期間中に計6回の主要な大会を開催しました。
1921年7月：第2回大会。
1922年12月4日：第3回大会。アジア地域における活動に焦点を当てた「東洋における活動についての決議」が採択されました。これは、植民地・半植民地における革命運動の支援と、その中での青年組織の役割を重視する方針を示すものでした。
1924年6月：第4回大会。

キムは日本の青年運動とも深く関わりました。
1922年1月30日-2月2日：キムの呼びかけによりモスクワで第1回極東革命的青年大会が開催され、日本からも4名の代表者が出席しました。この大会は、アジア諸国の革命的青年が一堂に会する初めての機会となりました。
1926年2月22日：執行委員会の総会に日本の共産主義運動指導者である徳田球一が参加し、「日本問題小委員会」において日本に関する決議が採択されました。
1928年8月20日-9月18日：第5回大会。綱領改定とともに、「共産青年インターナショナル日本支部の任務にかんするテーゼ」が採択されました。佐野博が評議員として参加し、後に執行委員にも選出されるなど、日本の代表者が組織の中枢に関わる事例も見られました。

1930年代に入り、ファシズムの台頭が世界的な脅威となる中で、キムの方針も転換を迎えます。
1935年9月25日-10月10日：第6回大会。「反ファッショ青年統一戦線」の構築が主要な方針として決定されました。これは、共産主義者だけでなく、広く進歩的な思想を持つ青年を結集し、ファシズムに対抗するための新しい型の青年組織を結成することを提起するものでした。この方針転換は、当時の国際情勢を反映したものであり、各国の青年運動に大きな影響を与えました。

第二次世界大戦中の1943年、キムは親組織であるコミンテルンと運命を共にします。
1943年5月-6月：コミンテルン執行委員会幹部会が、コミンテルンおよびキムの解散を決定。
1943年6月1日：キムが解散決定を支持することを表明。
1943年6月10日：全ての機関が廃止され、その歴史に幕を下ろしました。これは、当時の国際政治情勢の変化や、各国の共産党・青年組織の自立化といった背景があったとされています。

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