共通戦術装輪車

共通戦術装輪車とは

共通戦術装輪車（きょうつうせんじゅつそうりんしゃ）とは、陸上自衛隊が導入予定の新型装輪装甲車のファミリーです。この車両は、主に歩兵戦闘車型、機動迫撃砲型、そして偵察戦闘車型の3つのバリエーションに分かれ、それぞれ異なる戦闘任務に対応すべく設計されています。共通戦術装輪車は、16式機動戦闘車との協力を図り、敵の制圧や情報収集を実施するための重要な役割を果たすことが期待されています。

開発の背景

陸上自衛隊は、96式装輪装甲車の後継として、より高性能な次期装輪装甲車（パトリアAMV）とともに共通戦術装輪車の導入を進めています。三菱重工業と小松製作所は、それぞれのコンセプトに基づいた設計を進行中であり、2018年には契約が締結されています。この開発により、装輪装甲車（改）の事業が中止され、試作車両の製造は三菱重工業が担当しています。試作車両は16式機動戦闘車を基にしているため、各部の共通化が図られることになりました。令和6年度予算では、歩兵戦闘車型と機動迫撃砲型がそれぞれ計上されています。

各型の詳細

歩兵戦闘車型

歩兵戦闘車型は、令和6年度予算において共通戦術装輪車として位置づけられています。この車両は、装輪式の歩兵戦闘車で、車長、砲手、操縦手の3名と、さらに8名の戦闘員が搭乗可能です。武装は、Mk.44 30mm機関砲とMk.52 7.62mmチェーンガンが搭載されており、戦闘能力を向上させる設計が施されています。

機動迫撃砲型

機動迫撃砲型は、自走迫撃砲として設計されており、車長、操縦手、照準手、砲手、弾薬手の5名が運用を担当します。車両の後部には、2R2M迫撃砲が搭載されており、迅速な攻撃力を持っています。

偵察戦闘車型

偵察戦闘車型は、専門のチームによって運用されます。車長、砲手、操縦手、監視員、斥候員の計5名が乗車し、車体後部には監視装置や衛星通信アンテナが装備されています。この設計により、偵察任務の効率を高めています。

調達と配備

2023年現在、具体的な配備部隊についてはまだ詳細が公開されていませんが、既存の機動戦闘車との連携が考慮されていることから、即応機動連隊や偵察戦闘大隊への配備が予定されています。これにより、共通戦術装輪車は、未来の戦闘環境において重要な役割を果たすことが期待されています。

まとめ

共通戦術装輪車の導入は、陸上自衛隊における戦闘能力の向上に寄与するものとなります。各型の装備と機能に特化した設計により、多様な戦闘任務に対応できることでしょう。将来の地上戦における重要な戦力として、期待されています。

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