兵庫県立三木東高等学校

兵庫県三木市別所町小林に校舎を構える兵庫県立三木東高等学校は、「東高（ひがしこう）」の愛称で親しまれている県立高校です。地域に根ざした教育を展開し、現在は「ひょうごスーパーハイスクール（HSH）」の指定校としても、特色ある教育活動を推進しています。

教育の特色と学びの多様性

本校の教育は、校訓である「自治」「協同」「敬愛」に基づいています。心豊かな人間育成を目指し、生徒一人ひとりの知性、感性、身体の調和的な発達を促しています。

2006年度から総合学科（単位制）に改編された本校では、生徒は各自の興味や将来の目標に合わせて、以下の５つの科目群から選択し、深く学ぶことができます。

自然科学: 数学、理科、情報を中心に、自然界の探求と理解を深めます。
和の文化: 国語、地理歴史を基盤に、地域の歴史や伝統文化を通じて日本の文化を学びます。
健康福祉: 家庭科や保育に関する科目を軸に、児童福祉（保育・幼児教育）や社会福祉（看護・医療・介護）分野への理解を深めます。
経営アントレプレナー: 商業科目の学びから、地域に伝わる産業や起業家精神について実践的に探究します。
* 国際コミュニケーション: 外国語学習を中心に、国際社会におけるコミュニケーション能力や多角的な視点を養います。

また、より高いレベルでの大学進学を目指す生徒のために、２年次からアドバンスクラスを設置しています。このクラスでは、外部講師による進学講座や特別講義などを通じて、国公立大学や難関私立大学への合格を目指した質の高い学習環境を提供しています。総合学科でありながら、高い目標を持つ生徒たちが互いに刺激し合いながら学習に取り組んでいます。

歴史と校舎の成り立ち

本校は1975年（昭和50年）4月1日に、全日制普通科高校として三木市上の丸町の仮校地で開校しました。校名の「三木東」は、三木市の東に位置すること、そして創立年の干支である乙卯（きのとう）の「東」に由来するとされています。現在の所在地には、1976年（昭和51年）に旧武塚池を埋め立てて造成された校舎へ移転しました。この池の埋め立ては、上の丸の校舎が手狭になったことがきっかけでした。

本校の校章は、三木市の市章を背景に「東高」の文字が配されており、未来へ羽ばたく若者の姿が象徴されています。スローガン「燃える三木東」にちなんだマスコットキャラクターは、不死鳥「フェニックス」。これは創立10周年に制定され、創立30周年記念事業で整備された中庭「フェニックス・パティオ」にも描かれています。

キャンパスライフと施設

本校では、年間を通じて様々な学校行事が行われます。6月には文化祭である「武塚祭文化の部」、9月には体育祭である「武塚祭体育の部」が開催され、生徒たちは主体的に活動しています。また、図書館活動も盛んで、ビブリオバトルが開催されるほか、多読の生徒には卒業時に読書奨励賞が贈られています。

特別活動としては、三木市とのタウンミーティングや災害復興支援ボランティアなど、地域社会との関わりを大切にする活動も積極的に行われています。

施設面では、普通教室棟、特別教室棟、体育館、武塚会館（同窓会館）などがあり、運動施設としては広大な第一運動場に加え、陸上競技などが可能な第二運動場や、県内有数の規模を誇る8面のテニスコートを備えています。屋外雨天練習場「バーニングステージ」や、憩いの空間である中庭「フェニックス・パティオ」も整備されています。

最寄りの神戸電鉄志染駅から徒歩約5分とアクセスも良好で、利便性の高い立地です。

活発な部活動と進路実績

本校では、運動部、文化部、同好会を合わせて多くのクラブがあり、高い部活動加入率を誇ります。特に1年次では98%以上の生徒が何らかの部に加入しています。

運動部では、ウエイトリフティング部となぎなた部が全国レベルで活躍しており、スポーツ賞の受賞や全国大会常連の強豪として知られています。また、広大なグラウンドや多くのテニスコートを活用し、各部が熱心に活動しています。

文化部では、美術部がコンクールで数多くの特選や入選を獲得しており、作品展やメディア出演も果たしています。吹奏楽部も定期演奏会や地域での演奏活動を行っています。アコースティックギター部や演劇部といった特色あるクラブも活動しています。ボランティア同好会は地域イベントでの募金活動などに貢献しています。

進路においては、アドバンスクラスだけでなく、各クラスからも多様な進路を実現しています。大学進学では、国公立大学や早稲田大学、兵庫医科大学といった難関私立大学への合格実績があります。専門学校への進学も多く、特に看護・医療系の分野に進む生徒が多数います。また、公務員試験においても北播磨地域で高い合格実績を誇り、県内外の自治体や警察、消防に採用されています。就職においても、大手企業を含む様々な分野で生徒たちが活躍しています。

将来の展望

2022年（令和4年）7月には、2025年度より兵庫県立三木北高等学校および兵庫県立吉川高等学校と統合されることが発表されました。同年11月には、統合後の新しい高校である「兵庫県立三木総合高等学校（仮称）」が、現在の本校の校地に設置されることが決定しています。本校は、これまでの歴史と実績を引き継ぎつつ、新たな教育環境のもとで地域社会に貢献する人材育成を目指していきます。

本校は、多様な学びと経験を通じて、生徒たちが将来に向けて大きく飛躍できる場所であり続けています。個性豊かな教育プログラム、活気あふれる学校生活、そして地域との強い結びつきが、三木東高等学校の特色です。

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