兵庫県立姫路循環器病センター

兵庫県立姫路循環器病センター：高度な医療と地域への貢献の歴史

兵庫県立姫路循環器病センターは、兵庫県姫路市に存在した県立病院です。1981年、日本で最初の循環器専門の自治体病院として開院しました。心臓血管病と脳血管障害の治療を主要な診療の中心に据え、地域住民の健康を守る上で重要な役割を果たしてきました。

開院から閉院までの歩み：

開院当初から、高度な医療技術と設備を備え、多くの患者を受け入れてきました。臨床研修病院としての指定を受け、医師の育成にも貢献。さらに、兵庫県災害拠点病院や救急告示医療機関としての役割も担い、地域医療を支える中核病院としての地位を確立しました。病院の基本理念は、『医療の担い手と医療を受ける者との信頼関係に基づき、良質かつ高度な医療を行います。』であり、この理念に基づいた質の高い医療サービス提供に尽力しました。

病院の歴史においては、段階的な増改築や機能拡充が行われました。外来診療棟の増設、画像検査棟やICUの増築、脳卒中センターや糖尿病センターの設置など、時代のニーズや医療技術の進歩に対応した変化が見られます。また、高齢者脳機能研究センターとの統合や、電子カルテシステムの導入なども、病院運営の効率化と医療の質向上に貢献しました。

閉院と新たなスタート：

長年にわたる貢献を果たした姫路循環器病センターでしたが、建物の老朽化と、現在の場所での施設拡充が困難になったことから、移転・統合が検討されることとなります。2015年には製鉄記念広畑病院との統合再編計画が策定され、2022年4月30日に閉院しました。そして、翌5月1日には、姫路駅東の再開発地域（キャスティ21）に移転し、兵庫県立はりま姫路総合医療センターとして新たなスタートを切りました。これは、より広範な医療サービスを提供するための、大きな転換点となりました。

診療科と取り組み：

姫路循環器病センターは、内科、循環器内科、脳神経内科、外科、心臓血管外科、脳神経外科、形成外科、精神科、眼科、リハビリテーション科、放射線科、麻酔科、病理診断科、救急科、高齢者脳機能治療室など、幅広い診療科を有していました。特に循環器系と脳神経系の疾患に対する専門性の高さは、地域住民にとって大きな安心材料でした。また、看護師の発案による心臓手術後患者の負担軽減のための装具開発など、患者本位の医療への取り組みも積極的に行われていました。

アクセスと情報：

JR山陽本線姫路駅から神姫バスで約15分と、アクセスも比較的良好でした。病院に関する詳細な情報は、過去の公式ウェブサイトのアーカイブや、関係機関の資料を通して知ることができます。

まとめ：

兵庫県立姫路循環器病センターは、高度な医療技術と地域住民への貢献を両立させた病院でした。その歴史は、日本の循環器医療の発展に貢献しただけでなく、地域医療の向上に大きく寄与しました。閉院後も、その精神は引き継がれ、新たな医療センターとして、地域住民の健康を守る役割を担い続けています。

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