兵庫県立美術館

兵庫県立美術館の概要

兵庫県立美術館（ひょうごけんりつびじゅつかん）は、神戸市の「HAT神戸」にある県立の美術館で、愛称は「芸術の館」です。この美術館は、1995年の阪神淡路大震災によって被害を受けた兵庫県立近代美術館を引き継ぎ、2002年に開館しました。

建築とデザイン

建築家の安藤忠雄によって設計されたこの美術館は、前面の海と接するなぎさ公園と一体化した建築美が特徴です。内部は通路が巡らされ、建物自身も観賞対象としてデザインされており、訪れる人々がアートの中にいるような感覚を得られます。さらに2019年には、安藤忠雄の建築模型やドローイングを展示する施設「Ando Gallery」がオープンし、新たな魅力が加わりました。このギャラリーは安藤建築研究所の設計と施工によって実現され、県に寄贈されました。

前身の兵庫県立近代美術館は、1970年に設立され、村野藤吾の設計によるものでした。現在、この建物は「原田の森ギャラリー」と「横尾忠則現代美術館」として利用されています。これらを合わせた兵庫県立美術館の延床面積は37,894平方メートルに達します。

コレクションについて

兵庫県立美術館では7,000点以上の作品が収蔵されています。収集の焦点は、当初「内外の近代彫刻」、「近代版画」、および「郷土ゆかりの美術」の三つであり、後に「現代美術」が加わりました。これら四つの領域は、同館のコレクションの大きな柱となっています。特に2019年には、頴川コレクション及び梅舒適コレクションが追加され、より多彩な内容となりました。

特に目を引くのは、洋画には本多錦吉郎、神中糸子、岸田劉生、安井曽太郎、彫刻にはオーギュスト・ロダン、エドガー・ドガ、版画にはゴヤ、エドゥアール・マネといった著名な作家の作品が含まれています。また、日本画のコレクションも豪華で、村上華岳や東山魁夷などの名作が並んでいます。

主要施設の紹介

美術館内には、企画展示室や常設展示室の他、金山平三記念室や小磯良平記念室、レクチャールーム、ミュージアムホール、美術情報センターなど多彩な施設が設置されています。特にミュージアムホールは、2024年度から2026年度にかけて神戸製鋼所との命名権契約により「KOBELCOミュージアムホール」として利用されます。

アクセスと交通手段

兵庫県立美術館へのアクセスは良好で、阪神本線の岩屋駅から徒歩約8分、JR神戸線の灘駅からは約10分、阪急神戸本線の王子公園駅からは徒歩約20分の距離です。山陽新幹線の新神戸駅からはタクシーでの移動が便利です。また、神戸市バスや阪神バスの「県立美術館前」バス停も利用できます。

周辺情報

美術館周辺には、神戸防災合同庁舎やWHO健康開発総合研究センター、人と防災未来センターなどがあります。これらの施設は、アートを楽しんだ後に訪れることができる知識の場にもなります。

このように兵庫県立美術館は、建築の美しさと豊富なコレクションが融合した、訪れる価値のある場所です。

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