兵庫県道・大阪府道99号伊丹豊中線

兵庫県道・大阪府道99号伊丹豊中線

兵庫県伊丹市から大阪府豊中市に至る主要地方道として指定されているのが、兵庫県道・大阪府道99号伊丹豊中線です。この路線は、両府県を跨ぐ幹線道路であり、特に地域交通において重要な役割を担っています。地元ではその名称を略して「伊豊線（イトヨ）」や、整理番号から「キューキュー」といった愛称で呼ばれることもあります。また、通過する地域や沿線の特徴から「伊丹街道」や「飛行場線」とも称されることがあります。

路線の特徴と概要

本路線の最も大きな特徴は、大阪国際空港の敷地内、特に滑走路の真下を通過する点にあります。ここでは、「空港地下道」と呼ばれる専用の地下構造物を利用して空港敷地を立体交差しており、空港周辺の交通結節点としての機能を果たしています。この空港地下道を含む区間は、兵庫県宝塚土木事務所本所によって管理されています。

路線の総延長は比較的短く、陸上距離は約4.9キロメートルです。起点は兵庫県伊丹市伊丹に位置する伊丹1交差点で、ここでは主要な幹線道路である兵庫県道13号尼崎池田線などと接続しています。一方、終点は大阪府豊中市中桜塚の桜塚交差点で、国道176号や大阪府道2号大阪中央環状線（旧道）といった、こちらも地域にとって重要な道路と交差しています。

歴史

この路線が主要地方道として初めて位置づけられたのは1954年のことです。当時の建設省（現在の国土交通省）によって主要地方道伊丹豊中線として指定され、その後、同年中に大阪府が主要地方道4号として、兵庫県が主要地方道34号としてそれぞれ認定を行いました。このように、当初は府県によって異なる整理番号が与えられていました。

その後、兵庫県側では1966年に整理番号が34号から14号へ変更されました。元の34号は、同日に新設された主要地方道朝来大原線（現在の国道429号の一部）に転用されています。大阪府側では、1984年に案内上の府道番号が12号となるなど、番号の変遷が見られました。

現在の整理番号である99号に統一されたのは比較的最近のことです。1993年に建設省によって再度主要地方道として指定された後、同年12月1日に兵庫県が整理番号を14号から99号へ変更しました。翌1994年4月1日には、大阪府も府道番号を12号から99号へ変更し、両府県で同じ整理番号となりました。

主な道路施設と地理

路線上には、いくつかの主要な構造物があります。伊丹市内で猪名川を渡る桑津橋や、前述した大阪国際空港の地下を通過する空港地下道が代表的です。

通過する自治体は、兵庫県伊丹市と大阪府豊中市のみであり、短距離ながら府県境を跨ぐ路線です。

沿線には、伊丹市立美術館、イオンモール伊丹、ディスカウントストア「ジャパン」の伊丹店（かつて本社があった場所）、伊丹スカイパーク、伊丹市立こども文化科学館などの公共・商業施設や公園、学校（伊丹市立神津小学校、豊中市立箕輪小学校、豊中市立克明小学校、豊中市立第五中学校など）が点在しており、地域の生活や活動を支える道路として機能しています。また、その名称にも含まれる大阪国際空港自体も、沿線における重要な施設の一つです。

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