兵庫県道10号朝来出石線

兵庫県道10号朝来出石線

概要

兵庫県道10号朝来出石線は、兵庫県南部の朝来市と、北部に位置する豊岡市とを連絡する主要地方道として指定されている県道です。この道路は、朝来市和田山町宮田に所在する宮田交差点を起点としています。宮田交差点は、国道9号と接続する但馬地域の主要な結節点の一つです。そこから北東へと進み、豊岡市出石町柳の柳交差点が終点となります。終点である柳交差点は、兵庫県道2号宮津養父線と接続しており、但馬地域の広域ネットワークの一部を構成しています。路線の総延長は18.809キロメートルに及びます。但馬地域の山間部や田園地帯、そして歴史的な城下町である出石地区を通過し、地域住民の生活道路であるとともに、観光アクセス路としても利用されています。

歴史

この県道が現在の「朝来出石線」という名称と主要地方道としての地位を得るまでには、いくつかの段階がありました。その始まりは1982年（昭和57年）です。まず同年4月1日、当時一般県道であった「和田山出石線」が、建設省（現在の国土交通省）によって重要な地方道、すなわち主要地方道として指定されることになりました。この指定を受けて、兵庫県は同年12月1日に、それまで一般県道103号として管理されていた和田山出石線の路線番号を主要地方道としての「10号」に変更し、名称も「主要地方道和田山出石線」と改めました。その後、平成の大合併を経て、朝来郡和田山町や豊岡市出石町を含む周辺自治体が再編されたことを背景に、路線の起終点を示す地名表記が見直されました。これにより、2006年（平成18年）4月1日をもって、現在の正式名称である「主要地方道朝来出石線」へと名称が変更され、現在に至っています。

路線状況

兵庫県道10号朝来出石線の一部区間では、他の県道と路線を共有する重複区間が存在します。具体的には、起点の宮田交差点から朝来市和田山町林垣にある糸井橋交差点までの間は、兵庫県道104号物部藪崎線別線と重複して指定されています。また、糸井橋交差点を出てすぐの朝来市和田山町寺内までの短い区間においては、兵庫県道274号岡田林垣線との重複区間となっています。これらの重複区間では、複数の路線標識が設置されており、通行する際には注意が必要です。

地理

通過する自治体

兵庫県道10号朝来出石線が通過するのは、以下の2つの市です。

兵庫県朝来市
兵庫県豊岡市

交差する主な道路

本路線がその経路で交差または接続する主要な道路は以下の通りです。起点の朝来市和田山町宮田にある宮田交差点で国道9号に接続するほか、終点の豊岡市出石町柳にある柳交差点では兵庫県道2号宮津養父線および兵庫県道253号寺坂柳線と接続します。

国道9号（朝来市和田山町宮田・宮田交差点、起点）
兵庫県道104号物部藪崎線バイパス（朝来市和田山町林垣・糸井橋交差点）
兵庫県道274号岡田林垣線（朝来市和田山町寺内）
兵庫県道255号上村養父線（豊岡市出石町上村）
国道426号（国道482号 重複）（豊岡市出石町中村・ほたる橋交差点）
兵庫県道528号寺坂福住線（豊岡市出石町鍜冶屋）
* 兵庫県道2号宮津養父線（兵庫県道253号寺坂柳線 重複）（豊岡市出石町柳・柳交差点、終点）

沿線

路線の終点に近い豊岡市出石町周辺には、歴史的な建造物が多く残る出石城跡とその城下町が広がっています。重要伝統的建造物群保存地区にも選定されている出石の街並みは、観光地として多くの人々が訪れる場所であり、本路線はそこへの主要なアクセスルートの一つとしての役割も担っています。

もう一度検索