出石城

出石城：但馬の歴史を物語る城郭

出石城は、兵庫県豊岡市出石町に位置する、歴史ある城郭です。その起源は室町時代に遡り、戦国時代、江戸時代を経て、現在に至るまで、但馬地方の歴史を静かに見守ってきました。

出石城の歴史

起源：山名氏の此隅山城

出石城の始まりは、室町時代、但馬国の守護大名であった山名時義が築いた此隅山城です。此隅山城は、山名氏の本拠地として長く機能しましたが、1569年（永禄12年）に織田信長の家臣、羽柴秀吉による但馬遠征によって落城しました。

有子山城への移行

山名氏は一時的に領地を失いますが、後に織田氏と和睦し、領地を取り戻します。1574年（天正2年）には、山名祐豊が有子山山頂に有子山城を築き、本拠地を移しました。有子山城の麓には城下町も形成され、城郭としての体裁を整えていきました。しかし、山名氏は毛利氏についたため、1580年（天正8年）に再び羽柴秀吉の攻撃を受け、有子山城は落城。山名氏は滅亡しました。

近世城郭としての出石城

関ヶ原の戦いの後、小出吉英が出石城主となり、1604年（慶長9年）に有子山城の山上の丸や天守を廃止。山麓にあった郭と館を出石城と改名し、居城としました。堀で囲まれた三の丸を中心に、下郭、二の丸、本丸、稲荷丸が階段状に築かれ、城下町も整備されました。

江戸時代には出石藩の藩庁となり、小出氏の後、松平氏、仙石氏が城主を務めました。明治時代の廃城令によって城は取り壊されましたが、辰鼓楼、堀、石垣などが現存しており、隅櫓や登城門、登城橋などが復元されています。

出石城の見どころ

辰鼓楼：出石のシンボルとして親しまれている時計台です。
堀と石垣：往時の面影を伝える、美しい石垣と堀は必見です。
隅櫓、登城門、登城橋：復元された建造物からは、当時の城の様子を偲ぶことができます。
有子山稲荷神社、感応殿、諸杉神社：城郭内に鎮座する神社も訪れてみましょう。

周辺情報

出石城周辺には、出石家老屋敷や宗鏡寺など、歴史的な建造物が多く残っています。また、出石は皿そばの町としても知られており、美味しいそばを味わうことができます。

アクセス

鉄道：山陰本線・京都丹後鉄道「豊岡駅」または山陰本線「八鹿駅」から全但バス「出石」行きで約30分、終点下車後、徒歩5分。
車：舞鶴若狭自動車道・福知山ICから国道9号線、国道426号線を経由。

出石城は、日本の歴史と文化に触れることができる貴重な場所です。ぜひ一度、足を運んでみてください。

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