兵庫県道104号物部藪崎線

兵庫県道104号物部藪崎線（ひょうごけんどう104ごうもののべやぶさきせん）は、兵庫県北部、朝来市から養父市にかけて位置する一般県道です。この道路は、大部分が円山川の流れに沿って走っており、特に朝来市和田山地域から養父市にかけては、国道9号や国道312号といった幹線道路の対岸を並行する形で地域内の交通を担っています。地元では「円山川リバーサイドライン」という愛称でも知られ、景観の良いルートとしても親しまれています。総延長は20キロメートルあまりで、地域の生活道路として、また産業を支える重要な動脈として機能しています。

路線データ

起点: 兵庫県朝来市物部（兵庫県道70号十二所澤線交点）
終点: 兵庫県養父市薮崎（大屋橋交差点、京都府道・兵庫県道2号宮津養父線終点）
総延長: 20.327 km

歴史

この県道は、1972年（昭和47年）2月7日に県道路線として認定されました。これは、当時存在した主要地方道5号姫路豊岡線が廃止されたことを受け、その機能を補完するため、兵庫県道518号砥堀本町線とともに新たに指定されたものです。認定当初の正式名称は「兵庫県道104号物部養父線」でした。その後、路線の終点を示す地名が変更され、2013年（平成25年）4月1日に兵庫県告示第546号によって、現在の「兵庫県道104号物部藪崎線」に改称されました。

かつて、朝来市の和田山地域から養父市薮崎にかけての区間は、古くからの山陰道の一部であり、国道9号として供用されていました。しかし、2000年（平成12年）3月に円山川沿いに新たな道路、円山川グリーンロードが開通したことにより、旧国道部分は役割を終えました。その結果、旧道の大半は県道の指定を解除され、現在は市道として管理されています。ただし、一部区間は引き続き県道として指定されており、具体的には兵庫県道255号上村養父線や兵庫県道271号朝倉養父停車場線との重複区間として残されています。

路線状況

前述の通り、朝来市（旧和田山町）から養父市大薮にかけての区間は、円山川沿いの風光明媚なルートであることから「円山川リバーサイドライン」と呼ばれています。

本路線には、いくつかの他路線との重複区間が存在します。朝来市和田山町和田山の地点から、同町の玉置にある玉置交差点にかけては、兵庫県道273号金浦和田山線と重複しています。また、養父市大薮の千石橋交差点から、路線の終点である養父市薮崎の大屋橋交差点にかけては、京都府から続く京都府道・兵庫県道2号宮津養父線と重複しています。

本線から分岐する「別線」も指定されています。この別線は、朝来市和田山町土田の土田交差点から同町宮田の宮田交差点までの区間で国道9号と重複し、さらに宮田交差点から同町林垣の糸井橋交差点までの区間では兵庫県道10号朝来出石線と重複する形で、和田山地域における国道や主要地方道との連携を図っています。

通過する自治体

兵庫県朝来市
兵庫県養父市

主な交差道路

兵庫県道70号十二所澤線
兵庫県道273号金浦和田山線（重複区間）
京都府道・兵庫県道2号宮津養父線（重複区間・終点）
【別線】国道9号
【別線】兵庫県道10号朝来出石線

沿線施設

沿線には、JR西日本播但線の竹田駅や、JR西日本山陰本線の和田山駅といった鉄道駅があります。地域住民に利用される公共施設として、竹田郵便局や和田山本町郵便局、教育施設として朝来市立竹田小学校、朝来市立牧田小学校、朝来市立和田山中学校などが点在しています。また、養父市にはドライバーの休憩施設として道の駅「やぶ」が設置されています。

道路施設

本線上に架かる主な橋梁としては、円山川を渡る玉置橋（朝来市）、養父市内で円山川に架かる千石橋、そして終点付近で大屋川を渡る大屋橋（養父市）があります。このうち千石橋と大屋橋は、京都府道・兵庫県道2号との重複区間に位置します。

別線に存在する道路施設としては、円山川に架かる糸井橋（養父市）や、朝来市にある和田山トンネルが挙げられます。和田山トンネルは延長226メートルで、1963年（昭和38年）に竣工しました。このトンネルは国道9号との重複区間に含まれています。

地理

この県道が通過する地域は、円山川とその支流である大屋川が流れる山間部です。周辺は豊かな自然に囲まれており、特に円山川沿いの区間は四季折々の美しい景観を楽しむことができます。路線の大部分が川沿いの比較的平坦な地形を利用していますが、一部では山裾を縫うようにカーブや勾配も見られます。

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