兵庫県道25号阿万福良湊線

兵庫県道25号阿万福良湊線

兵庫県南あわじ市に位置する主要地方道、兵庫県道25号阿万福良湊線は、市域の南部から西部にかけてを縦断する重要な幹線道路です。総延長は約29.9キロメートルに及び、市の南端に近い阿万地区から、西部の湊地区までを結んでいます。

この路線の起点は南あわじ市阿万下町にあり、ここでは兵庫県道76号洲本灘賀集線と接続しています。起点から北西方向へ進路を取り、南あわじ市の南西部を横断していきます。ルートの終点は南あわじ市湊で、兵庫県道31号福良江井岩屋線と交わる地点となります。

県道25号線は、南あわじ市内の主要な地域を結んでおり、市民の日常生活や物流、さらには観光においても重要な役割を果たしています。特に、鳴門海峡に近く、うずしお観光の拠点として知られる福良地区を経由するため、観光シーズンには多くの利用があります。福良から阿那賀にかけての区間は「うずしおライン」という愛称でも親しまれており、風光明媚な海岸線を走るルートとして知られています。この愛称は、沿線から鳴門海峡や周辺の海の景色を楽しめることに由来しています。

歴史的には、この路線が現在の形になったのは比較的最近のことです。1993年（平成5年）5月11日に、建設省（現在の国土交通省）によって主要地方道の指定を受けました。この指定は、当時の県道湊港線の一部、旧県道の一部、県道鳴門観潮線の一部、そして県道阿万福良線といった既存の県道を統合・再編し、「南淡西淡線」として新たな主要地方道に位置づけられたことによるものです。これにより、県道としての位置づけが向上し、道路整備が進められました。

路線の状況を見ると、いくつかの特徴的な区間が存在します。

重複区間: 南あわじ市福良甲地区では、南淡町公民館前交差点から福良口交差点までの短い区間ですが、国道28号と重複して通行することになります。
事前通行規制区間: 地形的な制約や気象条件などから、安全確保のため特定の区間に事前通行規制が設けられる場合があります。具体的には、福良丙の仁尾から鳥取にかけての区間、阿那賀の木場から志知川を経て西路にかけての区間、そして湊の登立から湊市街地にかけての区間がこれに該当します。
緊急輸送道路: 南あわじ市福良甲の福良口交差点から、神戸淡路鳴門自動車道の淡路島南インターチェンジに至る区間は、緊急輸送道路に指定されています。これは、災害発生時における緊急車両の通行確保や、支援物資などの輸送を円滑に行うための重要な機能を持つ道路であることを示しています。

この県道は、南あわじ市を通過しており、そのルート上では様々な主要道路と接続することで、地域の交通ネットワークを形成しています。

主な接続・交差道路は以下の通りです。

兵庫県道76号洲本灘賀集線（南あわじ市阿万下町、起点）
国道28号（南あわじ市福良甲、南淡町公民館前交差点および福良口交差点）
兵庫県道237号鳴門観潮線（南あわじ市福良丙）
神戸淡路鳴門自動車道 淡路島南IC（南あわじ市阿那賀）
兵庫県道477号阿那賀市線（南あわじ市阿那賀）
兵庫県道476号津井津井港線（南あわじ市湊）
兵庫県道234号湊港線（南あわじ市湊、湊港入口交差点）
* 兵庫県道31号福良江井岩屋線（南あわじ市湊、湊交差点、終点）

沿線には、鳴門海峡に近接していることから、雄大な自然景観を楽しむことができる区間もあります。特に福良・阿那賀間は「うずしおライン」と呼ばれ、淡路島の南部を象徴する景色の良いドライブコースとして知られています。また、鳴門海峡へのアクセス拠点となる福良港など、観光施設への主要なアクセスルートともなっています。

このように、兵庫県道25号阿万福良湊線は、南あわじ市南部と西部を結び、地域間の連携、観光振興、そして防災機能など、多岐にわたる役割を担う地域にとって欠かせない重要な幹線道路と言えます。その経路は市の主要地域を経由し、様々な道路や高速道路と接続することで、南あわじ市内の交通ネットワークの中核をなしています。

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