兵庫県道272号宮垣八木線

兵庫県道272号宮垣八木線

兵庫県道272号宮垣八木線（ひょうごけんどう272ごう みやがきやぎせん）は、日本の兵庫県養父市内に位置する一般県道の一つです。この路線は、市の南部にあたる旧大屋町地域と、北部にあたる旧八鹿町地域を連絡する重要な幹線道路として機能しています。

路線の概要と役割

この県道は、養父市大屋町宮垣を起点とし、北東方向へ進み、養父市八鹿町八木を終点としています。地図上で見ると、かつて別々の町であった大屋町と八鹿町を、直線に近い形で結んでいることがわかります。これは、両地域の住民生活や経済活動におけるアクセス向上を目指して整備されたものであり、特に山間部を迂回することなく短時間で移動できるルートとして、地域住民にとって不可欠な存在となっています。地域の連携強化や物流の円滑化に大きく貢献している路線と言えるでしょう。

路線データ

起点: 養父市大屋町宮垣。ここでは兵庫県道6号養父宍粟線と接続しており、養父市南部や宍粟市方面からのアクセスを受け持っています。
終点: 養父市八鹿町八木。八木地区の中心部にほど近い剣大橋交差点が終点であり、日本の主要幹線道路である国道9号と接続しています。これにより、京阪神方面や鳥取方面への広域的な交通網と結ばれています。
総延長: 路線の全長は4.291キロメートルです。比較的短い区間ですが、養父市内の二つの主要地域を結ぶ結節点としての役割は大きく、その交通量は地域内では重要な位置を占めています。

主な道路施設

路線の途中には、いくつかの重要な道路構造物が存在します。

橋梁: 路線が通過する地域を流れる八木川を渡る剣大橋があります。この橋は終点である剣大橋交差点の名称にもなっており、八木地区への出入りにおいて中心的な役割を果たしています。
トンネル: この県道における最も特筆すべき施設は、琴弾（ことびき）トンネルです。
琴弾トンネルは、延長が1,421メートルにおよぶ長大な山岳トンネルです。これにより、かつて急峻な峠道であった区間を直線的に、かつ安全に通行することが可能となりました。
2002年（平成14年）に竣工した比較的新しいトンネルであり、この開通は県道272号の利用状況を大きく変化させ、地域間の移動時間を短縮し、冬季間の積雪や悪天候による通行規制のリスクを大幅に軽減しました。
トンネルを含む路線全体が養父市内に収まっており、地域内の主要インフラとしてその重要性が認識されています。

地理的特徴

この県道が通過するのは、兵庫県養父市の市域のみです。養父市は兵庫県北部の但馬地域に位置し、自然豊かな山間部とそれに沿って流れる河川が特徴です。本路線の沿いには、終点付近で八木川が近くを流れています。周辺の景観は、日本の典型的な里山風景を呈しており、四季折々の変化を楽しむことができます。路線自体は、こうした自然環境の中を抜ける形で整備されています。

接続する道路

本路線が他の主要道路と接続する地点は以下の通りです。

兵庫県道6号養父宍粟線（起点）
国道9号（終点）

まとめ

兵庫県道272号宮垣八木線は、わずか4.3キロメートル弱の総延長ながら、養父市内の旧大屋町と旧八鹿町を結ぶ、地域にとって極めて重要な一般県道です。特に琴弾トンネルの存在は大きく、安全で迅速な地域間移動を可能にしています。国道9号や兵庫県道6号といった周辺の主要道路とも接続しており、養父市内の交通ネットワークにおいて中心的な役割を担っていると言えるでしょう。

関連項目

* 兵庫県の県道一覧

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