兵庫県道340号浜甲子園甲子園口停車場線

兵庫県道340号浜甲子園甲子園口停車場線

兵庫県道340号浜甲子園甲子園口停車場線は、兵庫県西宮市内を南北に走る主要な一般県道の一つです。この道路は、南端の浜甲子園地区から北上し、JR東海道本線の甲子園口駅前に至る、総延長約3.3キロメートルにわたる道のりです。地域にとって重要な幹線道路であると同時に、かつての歴史を今に伝える存在でもあります。

特徴と歴史

この県道が特に特徴的なのは、その歴史的背景です。特に、起点の浜甲子園から阪神本線甲子園駅を経由して上甲子園に至る区間は、かつて武庫川の支流であった枝川の流路跡地を利用して整備されました。大正時代に、この土地を払い下げを受けた阪神電気鉄道は、ここに路面電車である「甲子園線」を開業させました。この甲子園線は、地域住民の生活の足として、また阪神甲子園球場へのアクセス手段として、長年にわたり多くの人々に利用されていましたが、社会情勢の変化に伴い、1975年（昭和50年）にその運行を終了し、廃止されました。

路面電車廃止後、その軌道跡は新たな道路として整備され、現在の県道の一部となりました。この道路には、行政によって「甲子園筋」という正式な通称が与えられています。しかし、路面電車が走っていた歴史から、特に昭和期までの地元住民の間では、長らく「電車道」という愛称で呼ばれることが一般的でした。現在でも、当時の様子を知る世代にとっては、「電車道」という呼び名がこの道を指す言葉として定着しています。また、かつての路面電車の名称を受け継ぎ、「甲子園線」という通称で呼ばれることもあります。これらの別名は、この道が地域の歴史と深く結びついていることを物語っています。

この県道は、西宮市を南北に縦断する主要な道路軸の一つであり、閑静な住宅地として知られる「西宮七園」の一つである甲子園地区の中心部を貫いています。

路線データ

起点: 西宮市枝川町（鳴尾浜公園前交差点）
終点: 西宮市甲子園口2丁目（JR西日本東海道本線 甲子園口駅前）
総延長: 約3.299キロメートル

地理と沿線施設

兵庫県道340号は、西宮市のみを通過します。

沿線には、地域の代表的な施設が数多く点在しています。

鳴尾浜公園
武庫川女子大学薬学部 浜甲子園キャンパス
ららぽーと甲子園（旧甲子園阪神パーク跡地）
阪神甲子園球場
阪神本線 甲子園駅
旧甲子園ホテル（現 武庫川女子大学甲子園会館）
甲子園警察署 上甲子園交番
上甲子園郵便局
JR西日本東海道本線 甲子園口駅

この路線は途中で阪神本線と交差しており、地域の鉄道網との連携もスムーズです。

重複区間

西宮市上甲子園1丁目の一部区間では、国道2号と重複しています。これは上甲子園交差点から上甲子園交番前交差点までの短い区間です。

兵庫県道340号浜甲子園甲子園口停車場線は、かつての路面電車の歴史を受け継ぎ、「甲子園筋」あるいは「電車道」として地域の人々に親しまれながら、西宮市の甲子園地区を南北に結ぶ重要な生活道路として機能しています。沿線の様々な施設とともに、地域の歴史や文化を支える道と言えるでしょう。

関連項目

兵庫県の県道一覧
西宮七園
阪神間モダニズム
阪神国道線

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