兵庫県道472号鳥飼浦洲本線

兵庫県道472号鳥飼浦洲本線は、淡路島南部を走る一般県道です。この路線は、兵庫県洲本市の五色町鳥飼浦を起点とし、南あわじ市を通過した後、再び洲本市に入り、納地区を終点とする経路をたどります。淡路島の西岸と東岸を結ぶルートの一つであると同時に、洲本市の市街地と五色地区を結ぶ主要な道路として地域交通を支えています。

公式な路線データによれば、起点は洲本市五色町鳥飼浦の兵庫県道31号福良江井岩屋線との交点です。終点は洲本市納にある洲本インター前交差点で、ここでは国道28号および神戸淡路鳴門自動車道の洲本インターチェンジに接続しています。路線の総延長は約10.602キロメートルです。また、南あわじ市倭文安住寺から洲本市奥畑にかけての区間は、事前に通行規制が実施される場合がある区間として指定されています。

本県道は、洲本市の中心部と五色地区を結ぶ動脈の一つであり、兵庫県道46号洲本五色線と並んで重要な役割を担います。地理的な特徴として、洲本市五色町上堺から南あわじ市を経て再び洲本市に入る県境地点まで、比較的長い上り坂が連続します。県境を越えると花立トンネルを通過し、その後は洲本市内の神戸淡路鳴門自動車道の高架下まで、一転して下り坂が続きます。道路全体の最高速度は、全線にわたり時速40キロメートルに設定されています。

路線途中には、いくつかの他の県道と重複する区間が存在します。具体的には以下の通りです。

兵庫県道66号大谷鮎原神代線：洲本市五色町広石下 - 洲本市五色町上堺（堺小学校前交差点）間
兵庫県道470号倭文五色線：洲本市五色町上堺 - 南あわじ市間
* 兵庫県道125号洲本松帆線：洲本市上内膳（二本松交差点） - 洲本市上内膳（上内膳交差点）間

本路線上にある主要な構造物の一つに、花立トンネルがあります。これは南あわじ市と洲本市の県境に位置し、長さは51.8メートルです。一般的には「花立トンネル」と呼ばれていますが、正式名称は「花立隧道」です。このトンネルは1912年（明治45年）に開通し、1964年（昭和39年）に改良されましたが、幅員が4.5メートルと狭いため、普通車同士であれば対向可能でも、大型車とのすれ違いは困難です。また、トンネルの手前や出口は見通しが非常に悪いため、特に注意が必要です。

本県道は、兵庫県内の洲本市、南あわじ市、そして再び洲本市という順序で自治体を通過します。経路が洲本市内で始まり、南あわじ市を経由して再び洲本市に戻る形状です。沿線には、洲本市立鳥飼小学校や洲本市立堺小学校などの教育施設が存在します。

兵庫県道472号鳥飼浦洲本線は、淡路島の地域交通において、東西および南北を結ぶ重要な役割を果たす路線です。歴史ある花立トンネルなど特徴的な構造物も含み、総延長約10.6キロメートルの道のりは、地元住民や島を訪れる人々の移動を支えています。特に狭い花立トンネルの通行には十分な注意が求められます。

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