兵庫県道535号灘市線

兵庫県道535号灘市線

兵庫県道535号灘市線（ひょうごけんどう535ごう なだいちせん）は、淡路島の南部、兵庫県南あわじ市内を東西に貫く一般県道です。この路線は、南あわじ市の灘地区から市地区へと至り、淡路島の最高峰である諭鶴羽山を含む諭鶴羽山地を縦断するという地理的な特徴を持っています。全長は約14キロメートルで、起点と終点、そしてその間の区間によって道路の状況が大きく異なる、変化に富んだ路線と言えます。

路線データ

この県道の起点は、南あわじ市灘山本の兵庫県道76号洲本灘賀集線との交差点に位置します。終点は、南あわじ市市円行寺にある円行寺交差点で、国道28号と接続しています。路線の総延長は14.023キロメートルです。全線が南あわじ市内のみを通過します。

路線の詳細と区間ごとの特徴

県道535号線は、その経路上の地形や開発状況により、いくつかの異なる区間に分けられます。

まず、起点である灘山本から灘惣川にかけての区間は、道幅が狭い「狭隘道路」となっています。この区間では、中型自動車（マイクロバスなど）以上の大きな車両は通行することができません。普通自動車であっても、車体が大きい場合は対向車とのすれ違い（離合）が困難な箇所が多く、非常に注意が必要です。また、山間部を通るため、路面には小石程度の落石が見られることもあります。

次に、灘惣川から神代浦壁・諭鶴羽ダムに至る区間は、車両での通行ができません。この区間は登山道となっており、諭鶴羽山地を徒歩で越える道筋です。諭鶴羽山地の古道である「諭鶴羽古道（裏参道）」とも交差しており、特に十八丁と呼ばれる地点からは諭鶴羽ダムまでの間は、県道と諭鶴羽古道が重複しています。諭鶴羽山への登山やハイキングで利用される区間と言えます。

諭鶴羽ダムから終点である市円行寺までの区間は、比較的整備されており、おおむね2車線の幅員が確保されています。この区間は、山間部を抜けて市街地へと近づくにつれて、比較的スムーズな通行が可能となります。

規制情報

この県道には、特定の規制区間が存在します。灘山本から灘吉野までの区間は、事前通行規制区間に指定されています。これは、悪天候時などに通行止めになる可能性があることを示しています。また、八木寺内から終点までの区間は、緊急輸送道路に指定されており、災害時などに重要な役割を担うことになっています。

沿線施設・名所

県道535号線の沿線や、車両通行不可区間の周辺には、諭鶴羽山地ならではの自然や歴史的な場所、公共施設などが点在しています。淡路島のパワースポットとして知られる諭鶴羽神社や神倉神社、淡路島の最高峰である諭鶴羽山は、この路線の近くに位置します。また、諭鶴羽ダムは治水や利水に重要な役割を果たしています。サイクリングや宿泊施設である南あわじ市サイクリングターミナル・ゆずるは荘や、兵庫県立淡路三原高等学校なども沿線にあります。

このように、兵庫県道535号灘市線は、区間ごとに異なる特徴を持ち、山地を縦断する区間では自然景観や歴史的な古道に触れることができる一方、起点側や終点側では交通路としての役割も果たす、南あわじ市内の個性的な県道です。

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