兵庫県道573号芦屋
鳴尾浜線(ひょうごけんどう573ごう あしやなるおはません)は、
兵庫県南東部に位置する
芦屋市から
西宮市に至る一般県道です。阪神間の沿岸部を東西方向に結び、地域の交通インフラとして重要な役割を果たしています。
概要
本路線は、
芦屋市緑町に位置する芦屋公園南交差点を起点とし、
西宮市の湾岸部に広がる
鳴尾浜地区、具体的には
阪神高速5号湾岸線鳴尾浜出入口に近接する
鳴尾浜交差点を終点とします。総延長は約6.3
キロメートルです。
この県道の最大の特徴は、広域交通を担う
阪神高速5号湾岸線にほぼ並行して整備されている点にあります。そのため、地域住民や利用者の間では「無料湾岸」という愛称で広く知られています。沿岸部を走ることから、潮風を感じながらドライブを楽しめるほか、特に夕暮れ時には美しい夕日、夜間には煌めく市街地や港の夜景を望むことができ、風光明媚な
道路としても親しまれています。
起点の
芦屋市緑町を出発し、潮風大橋を渡って人工島の南芦屋浜へと進みます。陽光町付近では、東灘区方面から延びる
兵庫県道722号東灘芦屋線と交差し、その後は
阪神高速5号湾岸線の南側に沿う形で東へ経路を取ります。この区間には、複数の河川や港湾を渡るための橋梁が多く存在します。
路線データ
起点: 兵庫県芦屋市緑町(芦屋公園南交差点)
終点: 兵庫県西宮市鳴尾浜(
鳴尾浜交差点、
阪神高速5号湾岸線 鳴尾浜出入口)
総延長: 6.337 km
この県道には、路線の性格上、海や河川、港湾を跨ぐ多くの橋梁が存在します。主な橋梁は以下の通りです。
潮風大橋(
芦屋市):芦屋浜と南芦屋浜を結ぶ
夙川橋(
芦屋市 -
西宮市)
西宮港大橋(
西宮市):西宮港を跨ぐ
鳴尾橋(
西宮市):甲子園浜と
鳴尾浜を結ぶ
地理
通過する自治体:
兵庫県芦屋市
兵庫県西宮市
沿線:
芦屋公園
兵庫県立芦屋特別支援学校
阪神高速5号湾岸線 南芦屋浜パーキングエリア
西宮市立総合教育センター付属
西宮浜義務教育学校
甲子園浜野球場
* 甲子園浜公園
特記事項:台風被害と復旧
平成30年(2018年)9月に日本列島を襲った台風第21号は、この県道にも大きな被害をもたらしました。特に、
西宮市内の甲子園浜と
鳴尾浜間に架かる
鳴尾橋は、強風にあおられた船舶が衝突し、橋桁が大きく損傷する甚大な被害を受けました。これにより、当該区間は長期にわたり通行止めとなり、地域の交通網に影響が出ました。
しかし、早期復旧に向けた作業が進められ、損傷した橋桁の交換を含む大規模な修繕工事が実施されました。その結果、被害発生から約1年後の
令和元年(
2019年)
9月4日には復旧工事が完了し、再び全線での通行が可能となりました。この事例は、沿岸部に位置するインフラが直面しうる自然災害のリスクと、それに対する復旧対応の重要性を示すものとなりました。
兵庫県道573号芦屋
鳴尾浜線は、地域の生活や産業を支える幹線
道路であると同時に、美しい景観を提供する観光資源の一面も持ち合わせています。