兵庫県道9号豊岡竹野線

兵庫県道9号豊岡竹野線（ひょうごけんどうきゅうごうとよおかたけのせん）は、兵庫県豊岡市内に位置する主要地方道として認定されています。この路線は、豊岡市街地に近い起点から、山陰本線沿いに北上し、観光名所である城崎温泉を経て、日本海に面した竹野町の終点までを結んでいます。

概要

本路線は、兵庫県道・京都府道11号香美久美浜線などを経由する場合、京都府京丹後市方面から兵庫県の城崎温泉や竹野町へアクセスする際の比較的短い経路の一つとされています。しかし、この道の大きな特徴として、道路の幅が狭い区間が多く存在することが挙げられます。特に山間部や旧市街地周辺ではその傾向が顕著であり、そのため大半の区間において車両の重量や幅に関する厳しい通行規制が実施されており、特に大型車両などの通行には十分な注意が必要です。

路線データ

兵庫県道9号豊岡竹野線の公式な路線データは以下の通りです。

起点: 豊岡市畑上
終点: 豊岡市竹野町竹野
総延長: 14.296 キロメートル

歴史

主要地方道としての兵庫県道9号は、時代によってそのルートと指定路線を変更してきました。現在の豊岡竹野線に「9号」の番号が割り当てられたのは、実は3代目の指定となります。

初代の兵庫県道9号は、1954年（昭和29年）11月24日時点で主要地方道西脇和田山線として指定されていました。この路線は、後に1981年に一般国道427号へと昇格しています。
次に、1982年（昭和57年）12月1日には、主要地方道福知山青垣線が新たな兵庫県主要地方道9号として認定されました。この路線は現在の兵庫県と京都府をまたがるルートでしたが、1993年（平成5年）3月31日に、一般国道429号が京都府福知山市まで延長されたことに伴い、大部分が国道に編入され、兵庫県道9号としては廃止されています。
現在の兵庫県道9号豊岡竹野線が誕生したのは、これに続く1993年のことです。まず、同年5月11日には、建設省（現在の国土交通省）によって、それまで一般県道であった竹野久美浜線の一部区間が「豊岡竹野線」として新たに主要地方道に指定されることになりました。そして、同年12月20日には、従前の一般県道238号竹野久美浜線が正式に廃止され、その区間を引き継ぐ形で「主要地方道豊岡竹野線」として兵庫県道9号に認定されたのです。これが、現在の豊岡竹野線が主要地方道となった具体的な経緯です。

路線状況と地理

交通規制と主な難所

前述のように、本路線には複数の交通規制区間が存在します。特に、円山川に架かる城崎大橋は、幅が狭いうえに重量制限が設けられています。また、かつて城崎町と竹野町を隔てていた鋳物師戻峠（いもじもどしとうげ）や、起点の畑上地区から城崎大橋方面へ向かう区間にある飯谷峠は、いずれも道路の幅員が狭小であり、特に大型車両などの通行が制限されています。これらの箇所は、通過する際に注意が必要な交通の隘路となっています。

これらの交通規制区間や、大型車両で通行できない場合の代替経路として、兵庫県道・京都府道11号香美久美浜線を利用することで迂回が可能です。

重複区間

本路線には、他の県道と経路を共有している重複区間が存在します。

兵庫県道548号楽々浦玄武洞豊岡線（豊岡市城崎町戸島地内）
兵庫県道3号豊岡瀬戸線（豊岡市城崎町今津地内）

通過自治体

兵庫県道9号豊岡竹野線が通過する自治体は、以下の通り、豊岡市のみです。

* 豊岡市

沿線施設

本路線の沿線には、国内外から多くの観光客が訪れる著名な温泉地である城崎温泉があります。路線の一部は城崎温泉街の中心部を通っており、温泉旅館へのアクセス路としても利用されています。

兵庫県道9号豊岡竹野線は、全長約14キロメートルあまりの比較的小さな主要地方道ですが、豊岡市内の地域を結ぶ重要な役割を担っています。特に、城崎温泉や竹野町といった日本海側の観光地へのアクセスを支える一方、その道路構造上の制約から、通行には十分な注意が必要な路線と言えるでしょう。

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