内堀保

内堀 保について

内堀 保（うちぼり たもつ）は、1917年3月12日に長崎県長崎市で生まれ、1997年1月30日に79歳で亡くなった日本のプロ野球選手である。ポジションは捕手であり、後にコーチや二軍監督、さらにはスカウトを務め、読売ジャイアンツの発展に寄与した。

来歴

内堀は長崎商業高校で野球を始め、1933年の春季甲子園に出場し、その才能が注目された。1935年、大日本東京野球倶楽部からの誘いでプロ入りすることが決まり、卒業前に入団したが、学業途中での入団により学校の卒業が取り消されるという波乱のスタートを迎える。その後、1980年に卒業が認められるまでの道程は長かった。

アメリカ遠征に参加する機会を得た内堀は、巨人の中山武の控え捕手としてスタートした。しかし、1937年には中山が軍に召集されると、その座を引き継ぎ、正捕手として活躍することになる。彼は名投手の沢村栄治やヴィクトル・スタルヒンとバッテリーを組み、1937年の秋季シーズンには打率.264を記録し、打撃成績でも上位に入った。さらに、同年には東西対抗戦にも選出され、フィールドでの存在感を示した。

内堀は1938年に再度軍に召集され、戦地では肩を痛めたものの、復員後の1946年には巨人に復帰し、1947年からは正捕手を再び務めることとなる。1949年にはコーチ兼任となりつつも、現役を引退するまでの間、若手選手の育成に尽力した。

その後、内堀は1952年から二軍監督やコーチなどの職に就き、1962年からはスカウト業務を担当する。彼は長年にわたり巨人のスカウト部に貢献し、1984年までその地位にあった。特にスカウト就任後も宮崎キャンプに参加し、名ノッカーとして多くの選手に影響を与えた。

逸話

内堀は沢村栄治の投球を受ける生き証人であり、沢村の特徴的なカーブについて「三段階に亘って曲がり、ドスンと落ちる」と表現している。また、彼は沢村とスタルヒンのリーダーシップスタイルの違いを語り、後輩の育成への思いが伝わる発言を残している。映画『不滅の熱球』では内堀を演じた千秋実や、沢村役の池部良に直接投球技術を伝えたことでも知られる。

記録

内堀は東西対抗戦に3回出場した。彼の背番号は時期によって変遷しており、初年度の1935年は20番、1946年からは5番を背負った。彼は長いキャリアを通じて多くの若手選手を育て、巨人の歴史の中で重要な役割を果たした。

著書

彼の著作には『ニックネームはジャイアンツ―我が青春の巨人軍』があり、巨人への思いを語る内容となっている。この本はファンにとっても興味深い読み物であり、内堀の視点から見た巨人の歴史を知る手がかりとなっている。

1998年、内堀の現役時代のユニフォームが長崎県に寄贈され、長崎県営野球場の資料展示室にて展示されている。

内堀保は、選手から指導者まで幅広いキャリアを持ち、多くの人々に影響を与えた偉大なスポーツマンである。

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