内山龍雄

内山龍雄の生涯と業績

内山龍雄（うちやま りょうゆう）は、1916年8月28日に静岡県静岡市で生まれ、1990年8月30日に逝去した日本の理論物理学者です。彼は、分野の先駆者と認識されており、特に一般ゲージ場理論を創設したことが評価されています。内山は、大阪大学において第14代理学部長を務め、名誉教授の肩書きを持つ理学博士でもあります。

研究への貢献

内山は、1950年代に、楊振寧やロバート・ミルズとは別に、重力と電磁力を結ぶ一般ゲージ理論の研究に取り組みました。1954年の京都大学基礎物理学研究所でのワークショップでは、自身の研究を発表しましたが、その時の反応は否定的でした。国外では同時期に、ヴォルフガング・パウリが非可換ゲージ理論の研究をしていましたが、彼もまた発表を控えていました。内山は、楊とミルズが後に発表した論文の存在を知った際、一時は自身の研究の発表をあきらめましたが、再び気を取り直し、ゲージ場の一般論に関する論文をまとめ上げました。この論文は1955年にPhysical Reviewに受理され、1956年に出版されることになります。

後進の育成

内山は、大阪大学において一般相対性理論や場の理論の講義を担当し、学生たちの育成に努めました。彼の指導を受けた学生たちは、物理学界で活躍しており、内山の教育への情熱は多くの若者たちに影響を与えました。

エピソードと人生の回想

内山の人生には多くのエピソードがあります。彼は翻訳書の序文で、「他国の学者の書いた書物の翻訳書を出す者には一流の学者はいない」と記し、そのプライドを表明しました。また、病床では「アインシュタインやディラックを追い越せなかったことが残念だ」と述懐しており、彼の探究心は生涯にわたって続いていたことがわかります。死の床にいても、計算を行った跡があり、彼の理論物理学への情熱が伺えます。

経歴と栄典

内山は、静岡県立静岡中学校から静岡高等学校を経て大阪帝国大学へ進学し、1940年に同大学を卒業しました。以降は助手、講師、助教授を経て1951年に理学博士の学位を取得しました。彼は1964年には量子化された物質場の研究で重力研究財団論文賞を受賞し、1978年から1980年まで大阪大学の学部長を務めました。1980年には定年退官し、その後帝塚山大学で教授、続いて大学長を務めました。1989年には勲二等旭日重光章を授与されました。

著書と翻訳

内山の著作には、『相対性理論』や『一般相対性理論』をはじめとする、多岐にわたる作品があります。翻訳書も数多く手がけており、アインシュタインやシュレーディンガーの作品も彼の手によって日本語に翻訳されました。彼の業績は、現在も多くの研究者に影響を与え続けており、物理学界における内山龍雄の存在は、長く記憶されることとなるでしょう。

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