内海善雄

内海善雄（うつみ よしお）

内海善雄は、1942年8月14日に香川県高松市で生まれました。彼は日本の郵政官僚として、また国際電気通信連合（ITU）の事務総局長として、そのキャリアを築きました。彼の業績は、国内の通信自由化から国際的な情報通信分野の発展まで、多岐にわたります。

生い立ちと初期のキャリア

内海は1962年に香川県立高松高等学校を卒業後、東京大学法学部に進学し、1965年に卒業しました。卒業後、一時的に株式会社東芝に入社しましたが、翌1966年には郵政省に入省し、官僚としてのキャリアをスタートさせました。その後、1972年にはシカゴ大学大学院で政治学修士号を取得しています。

郵政省での活躍

郵政省では、1977年に外務省在ジュネーブ国際機関日本政府代表部一等書記官として国際的な舞台での経験を積みました。帰国後は、1988年に郵政省放送行政局総務課長、1989年に郵政大臣官房文書課長、1990年に郵政大臣官房審議官、1991年には郵政省通信政策局次長を歴任しました。1993年には郵政大臣官房国際部長、1995年には郵政省総務審議官、1996年には郵政省郵務局長、1997年には郵政省郵政審議官と、要職を歴任しました。

特に、郵政省時代には、通信の自由化において担当課長を務め、第2種電気通信事業の自由化を実現するなど、日本の情報通信インフラの整備に大きく貢献しました。

ITU事務総局長として

1999年、内海は国際電気通信連合（ITU）の事務総局長に就任しました。ITUは、国際連合の専門機関であり、情報通信技術の標準化や開発を促進する重要な組織です。事務総局長として、内海はIP電話に関する国際合意の形成、国連情報社会サミット（WSIS）の開催、インターネット管理（ICANN）の国際化など、国際的な情報通信分野の課題解決に尽力しました。

その後の活動

2007年には、トヨタ自動車株式会社顧問および株式会社トヨタIT開発センター最高顧問に就任し、民間企業での経験も積みました。また、2008年にはJTEC（一般財団法人通信・放送コンサルティング協力）の理事長、2012年には九州電力株式会社の監査役を務めました。さらに、早稲田大学の客員教授としても教鞭を執っています。

受賞と栄誉

内海は、その功績により、早稲田大学名誉博士号、ドミニカ共和国銀製十字勲章、ジュネーブ州名誉ブルジョワジー、前島密賞、情報通信月間総務大臣賞、情報通信学会名誉員、IEEE名誉会員など、数多くの賞と栄誉を受けています。2013年には瑞宝大綬章を受章しました。

著書

内海は、自身の経験や知識をまとめた著作も発表しています。主な著書には、『国連専門機関（ITU）の事務総局長が"勝つ"ための国際交渉術教えます！』（日刊工業新聞社、2006年）、『「国連」という錯覚 日本人の知らない国際力学』（日本経済新聞出版社、2008年）、『「お辞儀」と「すり足」はなぜ笑われる』（日本経済新聞出版社、2010年）、『翻れ！日本のICT産業 ディジタル革命三十年の証言』（情報通信振興会、2013年）などがあります。

これらの著書は、彼の国際舞台での経験や情報通信分野における深い知識を反映しており、多くの読者に影響を与えました。

主な業績

内海の主な業績は以下の通りです。

郵政省時代：通信自由化における担当課長、第2種通信事業自由化の実現
ITU事務総局長時代：IP電話に対する国際合意の実現、国連情報社会サミット（WSIS）の開催、インターネット管理（ICANN）の国際化

これらの業績は、内海が日本の情報通信技術の発展と国際的な連携に大きく貢献したことを示しています。

まとめ

内海善雄は、郵政官僚、ITU事務総局長として、そのキャリアを通じて日本の情報通信技術の発展と国際的な情報通信分野の発展に尽力しました。彼の活動は、日本の情報通信インフラの整備、国際的な情報通信標準の策定、インターネットの国際管理など、多岐にわたります。その功績は、今日の情報社会を形作る上で重要な役割を果たしました。

外部リンク

内海善雄　Yoshio Utsumi for Global Development
一般財団法人海外通信・放送コンサルティング協力

もう一度検索