内田正学

内田正学：幕末から明治への激動期を生きた藩主

内田正学は、下総国小見川藩の最後の藩主として、そして明治時代の政治家・軍人として、激動の時代を駆け抜けた人物です。1847年（弘化4年）、旗本の家に生まれ、1864年（元治元年）、小見川藩主・内田正縄の養子となり家督を継ぎました。


幕末から戊辰戦争へ


小見川藩は、幕末期において佐幕派として、江戸芝増上寺の警備に当たるなど、幕府に協力していました。しかし、戊辰戦争が勃発すると、正学は時勢を見極め、官軍側に加勢。時代の流れに沿う判断をしたと言えます。この決断は、後の正学の歩みを大きく左右することとなりました。


明治政府における活躍


1869年（明治2年）の版籍奉還により知藩事となり、藩の統治に携わりました。しかし、1871年（明治4年）の廃藩置県によって、その役職を終えました。


政治家としてのキャリアを終えたわけではありませんでした。正学は、軍人としての道を歩むことになります。1877年（明治10年）、西南戦争が勃発すると、東伏見宮嘉彰親王に従って従軍。三等中警部心得として、戦火の渦中に身を投じました。


戦後、その功績が認められ、1884年（明治17年）には子爵に叙せられました。その後も軍人としての道を進み、1892年（明治25年）には陸軍大尉に昇進。1894年（明治27年）の日清戦争では、歩兵第2連隊の副官として従軍しました。


貴族院議員としての活動


軍人としての活躍にとどまらず、正学は政治の世界でも重要な役割を果たします。1897年（明治30年）には貴族院議員に就任。1910年（明治43年）に64歳で死去するまで、貴族院議員として活動しました。


家系と家族


正学の実父は旗本・内田正路、養父は小見川藩主・内田正縄です。妻は内田正道の娘である内田録子。子には、内田正吉、内田寛治らがいました。


まとめ


内田正学は、幕末から明治にかけての激動期を生き抜き、藩主、軍人、政治家として活躍しました。佐幕派から官軍への転向、西南戦争や日清戦争への従軍、子爵への叙爵、そして貴族院議員としての活動など、その生涯は日本の近代化を彩る、重要な歴史の一端を担っていました。彼の選択と行動は、時代を反映するものであり、近代日本の歩みを理解する上で、欠かせない人物の一人と言えるでしょう。

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