内藤信広

内藤信広の生涯

内藤信広（ないとう のぶひろ）は、江戸時代初期に活動した旗本であり、越後国村上藩の分家初代として名を馳せました。彼は内藤信成の次男として生まれ、やがて徳川家康の後継者である徳川秀忠に召抱えられ小姓としての人生をスタートさせました。

初期の仕官と戦歴

慶長16年（1611年）、内藤信広は徳川秀忠に仕官し、早くも小姓としてその働きを始めました。慶長19年（1614年）には御徒頭に任命され、大坂冬の陣に参加。この戦いは、彼の軍事的キャリアにおける重要な一歩となりました。その後、元和元年（1615年）には上野国に1,000石の采地を与えられることになり、同年の大坂夏の陣ではさらなる戦功を挙げ、小姓組の組頭に昇進しました。

官職と加増

元和3年（1617年）には従五位下市正に叙任され、さらに寛永3年（1626年）には書院組頭に任じられました。そして、寛永9年（1632年）には大番頭に進み、石見守に改められます。寛永10年（1633年）には安房国と上総国において大幅な加増を受け、合計で4,000石の増加がもたらされました。

その後、慶安元年（1648年）には大坂定番に昇進し、さらなる加増を受けて合計1万5,000石を領有することになりました。段々と彼の地位は高まり、内藤家の繁栄をもたらしました。

家臣の事件と失脚

しかし、彼の栄光には影がありました。慶安元年（1648年）に、彼の家臣の一人がキリシタンとして処刑される事件が発生。この出来事により、信広はその責任を問われ、罷免されることになりました。さらには、彼の領地は7,000石も減封されてしまい、彼の名誉と地位は一瞬にして失われてしまいました。

晩年と死去

慶安2年（1649年）3月15日、内藤信広は江戸において58歳で死去しました。彼の法名は浄閑であり、長男の信光が家督を継ぎました。葬儀は神田無量院で行われ、後にこの寺院は駒込に移転したとされています。本作については、『新訂寛政重修諸家譜』や他の資料でも触れられています。

内藤信広は、忠義と栄光、裏切りと失墜が交錯する波乱の生涯を送りました。彼の物語は、江戸時代の政治情勢や武士としての生き様を知る上で貴重な資料となっています。

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