内藤信親

内藤信親（ないとう のぶちか）は、江戸時代後期の大名であり、越後国村上藩の第7代藩主です。第6代藩主・内藤信敦の三男として生まれ、母は寛政の改革で知られる老中松平定信の娘です。

生涯

兄の死去により嫡子となった信親は、文政8年（1825年）に父の跡を継ぎ村上藩主となります。父と同様に幕府の要職を歴任し、寺社奉行、大坂城代、京都所司代を経て老中となりました。嘉永4年（1851年）から11年もの間、老中として幕政の中枢を担いましたが、文久の改革において公武合体の失敗の責任を問われ、失脚しました。

また、皇女和宮が降嫁する際、同じ字を使うのを憚り「信思（のぶもと）」と改名しています。晩年には「藤翁（とうおう）」という雅号も用いました。

実子の信任が早世したため、岩村田藩内藤家から信民を養子に迎え、元治元年（1864年）に隠居し家督を譲りました。しかし、戊辰戦争では奥羽越列藩同盟に加わり、明治新政府軍に抵抗しました。対応に苦慮した養子の信民は自害しており、その後、岸和田藩岡部家から信美を改めて養子に迎えています。

明治元年（1868年）には、戊辰戦争での行動を理由に明治政府から罪を問われ謹慎処分を受けましたが、明治2年（1869年）に赦免されました。明治7年（1874年）に63歳でこの世を去りました。

年譜

1812年（文化9年）12月22日：内藤信敦の三男として誕生。
1825年（文政8年）：村上藩主就任。
1843年（天保14年）：寺社奉行に就任。
1848年（嘉永元年）：大坂城代に就任。
1850年（嘉永3年）：京都所司代に就任。
1851年（嘉永4年）：老中に就任。
1862年（文久2年）：老中を免職。
1864年（元治元年）：養子の内藤信民に家督を譲り、隠居。
1868年（明治元年）：北越戦争で幕府方についたため謹慎処分。
1869年（明治2年）：赦免。
1874年（明治7年）5月14日：死去。

系譜

父母

父：内藤信敦
母：松平定信の娘（牧野忠精の養女）

正室

酒井金與（酒井忠器の娘）

子女

内藤信任

養子

内藤信民（内藤正縄の五男）
* 内藤信美（岡部長寛の長男）

内藤信親は、幕末の動乱期において、幕府の要職を歴任し、その中心人物の一人として活躍しました。しかし、時代の変化の波に翻弄され、波乱に満ちた生涯を送った人物と言えるでしょう。

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