内藤正縄

内藤正縄：岩村田藩を支えた名君、その生涯と功績

内藤正縄（ないとう まさつな）は、江戸時代後期の信濃岩村田藩の第6代藩主であり、岩村田藩内藤家7代当主です。老中として天保の改革を主導した水野忠邦の実弟としても知られています。

生い立ちと藩主就任

寛政7年（1795年）、肥前唐津藩主・水野忠光の三男として生まれました。享和3年（1803年）、先代藩主・内藤正国の甥にあたることから9歳で養子となり、家督を継承しました。文化6年（1809年）には将軍・徳川家斉に拝謁し、従五位下下総守に叙任されています。

幕府での要職

文化7年（1810年）には日光祭礼奉行、文化11年（1814年）には大坂加番を命じられるなど、幕府の要職を歴任しました。文政8年（1825年）には大番頭に就任し、天保9年（1838年）には伏見奉行に就任しています。

安政の大獄への関与

伏見奉行在任中には、京都で逮捕された梅田雲浜の取り調べを担当するなど、井伊直弼による安政の大獄を支える役割を果たしました。この功績により、安政5年（1858年）には城主格に昇進しています。

晩年と遺産

安政6年（1859年）に伏見奉行を解任され、万延元年（1860年）に66歳で死去しました。跡を継いだのは、早世した長男・正義の嫡男である正誠です。

岩村田には、正縄が手植えしたとされる梅の古樹が現存しており、「正縄公御手植の豊後梅」として親しまれています。これは、彼が領民に愛され、その治世が慕われていた証左と言えるでしょう。

系譜

実父：水野忠光
養父：内藤正国
正室：大岡忠正の娘
子女：内藤正義（長男）、有馬則篤（次男）、竹腰正厚（四男）、内藤信民（五男）、松前徳広正室、岡田善宝正室、角倉玄祐室、横山知哲正室
* 養子：内藤正誠（正縄の孫）

内藤正縄は、藩主としてだけでなく、幕府の要職を歴任し、激動の時代を生き抜いた人物でした。彼の功績は、岩村田の地に残る梅の古樹とともに、今も語り継がれています。

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