内藤千百里

内藤千百里の経歴と影響力

内藤千百里（ないとう ちもり）は1923年6月10日に大阪府で生まれ、2018年1月27日に心不全により94歳で亡くなった日本の経営者であり、関西電力の元代表取締役副社長です。彼の旧姓は竹内で、教育を天王寺中学校や旧制松江高等学校を経て、1947年に京都帝国大学経済学部を卒業しました。同年、彼は関西電力の前身である関西配電に入社しました。

経営者としてのキャリア

内藤は1962年に芦原義重社長の秘書としての役割を担い、以後約30年間にわたり、政財界との重要なパイプ役となりました。彼の経歴は、関西電力が日本の電力業界で強い存在感を示す上で大きな役割を果たしました。しかし、1970年に芦原社長が会長に退くと、内藤は社内での影響力をさらに強化し、会社の方針や動向に多大な影響を与えました。

社内外の批判とその結果

しかし、1986年に『朝日ジャーナル』誌で連載された「企業探検」において関西電力が取り上げられ、内藤のワンマンぶりや恐怖支配が詳細に報じられると、社内外からの批判が噴出しました。特に、内藤が持っていた権力の集中が問題視され、1987年2月の関西電力取締役会では、内藤と芦原が解任される動議が提出されました。最終的に、小林庄一郎会長の主導のもと、両者は解任されることとなりました。

この解任は、彼の晩年に大きな影響を与えましたが、内藤は羽曳野市羽曳が丘西に居住し続けました。

政界との関係

2013年12月から2014年7月にかけ、内藤は朝日新聞の取材に応じ、政治献金の実態について証言しました。彼は、1972年から約18年間で歴代内閣総理大臣7人や自由民主党の有力者に対し、年2回200万円から1000万円を献金していたと語りました。この資金は、年間で数億円に達し、関西電力にとっては原発導入をスムーズに進める上で必要不可欠なものでした。内藤は、献金の目的を「電力の安泰」と「国家の繁栄」とし、効果が出るまでに時間がかかることを「漢方薬」に例えました。

最後の日々と評価

内藤千百里は2018年に94歳で亡くなりましたが、彼の経営における姿勢や政治との関与については、いまだに多くの人々に語り継がれています。彼のキャリアは、関西電力の発展と日本の電力業界の動向を深く反映したものであり、同時にその背後には政治との複雑な関係が存在しました。彼の存在は、日本の企業と政界の関係を再考する上での一つの指標となるでしょう。

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