内藤寿七郎

内藤寿七郎（ないとう じゅしちろう）は、1906年10月23日に東京都で生まれ、2007年12月12日に101歳で亡くなった、日本の医学者、特に小児科医として著名な人物です。彼は、日本小児科医会の初代会長を務め、後に名誉会長にもなりました。

内藤は、熊本県立熊本中学校（現在の熊本県立熊本高等学校）と官立第五高等学校を経て、1931年に東京帝国大学（現在の東京大学）医学部を卒業しました。その後、東京大学小児科教室に勤務し、キャリアをスタートさせました。彼の臨床経験は、日本赤十字社中央病院小児科部長や愛育病院院長といった要職を務める中でさらに深まりました。

内藤の業績の中でも特に注目されるのは、1992年に日本人として初めてシュバイツァー博愛賞を受賞したことです。この賞は、人道的な貢献が顕著な人物に贈られるものであり、内藤の医療分野における貢献と博愛精神が国際的に認められた証と言えるでしょう。

内藤は、医学研究と臨床活動に加え、育児に関する多くの著作を通じて、一般の保護者への啓蒙活動にも力を注ぎました。彼の著作は、育児の基礎から応用まで幅広くカバーしており、多くの親たちが育児における悩みを解決する手助けとなりました。代表的な著書には以下のようなものがあります。

『愛育班育成者必携』（監修）
『愛育班員必携』（監修）
『赤ちゃんの命を守る母乳のはなし』
『赤ちゃんの応急手当豆事典』
『赤ちゃんの心理』
『赤ちゃんの病気の見つけ方・治し方』
『赤ちゃん百科〔改訂版〕』（共著・監修）
『インファント・ニュートリション』（訳）
『お母さん大丈夫、あなたが育児の主役です』
『ことばの誕生』（共著）
『こどもの心を育てる・第四集』（共著）
『最新育児学』（共著）
『最新助産学』（共著）
『出産と育児の百科』（共著・監修）
『子どもの「花」が育つとき　－21世紀をになう子どもたちへ！語り伝えたい、育児メッセージ』
『小児の情緒障害　第２版』（監修）
『小児保健学』（監修）
『新生児の神経発達』（監修）
『トーマス博士の育児書』（共訳・監修）
『内藤寿七郎博士のちょっと気がかり赤ちゃん相談室』
『内藤博士の愛の育児書』
『乳児保育』（監修）
『乳幼児保健指針』（共著）
『保育所の０・１・２歳児保育』（監修・著）
『やさしい子どもに育てたい』
『幼稚園児をもつ若い両親ヘ』
『リー・ソーク博士の育児書』（監修）
『離乳と離乳食』
『若い両親へ』
『わが子の健康食』（共著）
『新「育児の原理」-あたたかい心を育てる-』
『育児の原理 -あたたかい心を育てる-』
* 『愛の育児書』

これらの著作は、内藤が長年にわたり培ってきた小児医療の知識と経験に基づき、具体的な育児のヒントやアドバイスを提供しています。

内藤寿七郎は、2007年12月12日に腎不全のため、東京都中央区の聖路加国際病院で亡くなりました。101歳という長寿を全うし、医学界、そして社会に多大な貢献をした彼の功績は、今後も長く語り継がれることでしょう。

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