内藤政順

内藤政順

内藤政順（ないとう まさより）は、江戸時代後期の延岡藩主であり、第6代藩主として知られています。内藤家宗家11代当主でもあります。

生涯

寛政8年（1796年）に第4代藩主・内藤政韶の長男として誕生しました。幼名は亀之進と名付けられました。文化3年（1806年）に先代藩主・内藤政和が若くして亡くなったため、その跡を継ぎました。

藩主として、蝋、和紙、菜種などの生産を奨励し、物産方役所や紙方会所を開設して専売制を強化しました。しかし、自身は倹約に熱心でなかったため、延岡に滞在した佐藤信淵から批判を受けたという逸話が残っています。文化9年（1812年）には、宮崎神宮の社殿を造営するなど、文化面での貢献も行いました。

天保5年（1834年）に39歳で亡くなりました。実子がいなかったため、繁子の実弟で養嗣子の政義が跡を継ぎました。法号は海上院明山居士。墓所は神奈川県鎌倉市の光明寺にあります。

人物

妻の繁子は、政順の死後に出家し、充真院と号しました。紀行記である「五十三次ねむりの合の手」、「海陸返り咲ことばの手拍子」、「三下りうかぬ不調子」、「午のとし十二月より東京行記」や、延岡の日常を記した随筆「色々見聞きしたる事を笑ひに書」など、多くの著作を残しました。これらの著作は、当時の社会や文化を知る上で貴重な資料となっています。

系譜

実父: 内藤政韶
養父: 内藤政和
正室: 繁子（允姫、充真院、井伊直中の三女）
養子: 内藤政義（井伊直中の十五男）

内藤政順は、藩政においては特産品の奨励に努めましたが、一方で自身の生活には寛容であったという評価があります。しかし、文化事業への貢献や、妻である繁子の著作活動を通じて、後世に名を残すこととなりました。

もう一度検索