内藤政義

内藤政義

内藤政義（ないとう まさよし）は、江戸時代後期の大名で、日向国延岡藩の第7代藩主。延岡藩内藤家宗家の12代当主にあたります。

生涯

文政3年（1820年）に、近江彦根藩主・井伊直中の15男として誕生しました。実母は側室の中島氏。兄には、幕末の政治家として知られる井伊直弼がいます。

当初は直恭と名乗り、元服後も彦根で過ごしていましたが、天保5年（1834年）に転機が訪れます。延岡藩主であった兄・内藤政順に招かれ、兄・直弼とともに江戸へ向かいました。これは、嗣子のいなかった政順の養子候補として期待されたためです。

その結果、直恭は政順の養子となり、内藤政義と改名。晴れて延岡藩の後継者となりました。ちなみに、兄・直弼は翌年彦根へ帰国し、その後は不遇の時代を過ごすことになります。

天保5年（1834年）10月、養父・政順の死去を受けて家督を相続し、延岡藩主となりました。同年12月には、従五位下能登守に叙任されています。

藩主として、政義は藩政改革に尽力しました。天保12年（1841年）と嘉永元年（1848年）に相次いで発生した飢饉では、救済対策に奔走。その他、軍制改革、学制改革、新田開発など、多岐にわたる改革を推進しました。嘉永3年（1850年）には、藩校学寮を「廣業館」と改称し、教育の振興にも力を注いでいます。

文久2年（1862年）10月、養嗣子の政挙に家督を譲り、隠居しました。明治21年（1888年）11月18日、69歳で生涯を閉じました。

系譜

実父: 井伊直中
実母: 中島氏（側室）
養父: 内藤政順
正室: 豊姫、菊姫（溝口直諒の三女）
継室: 録姫、豊子（立花鑑賢の娘）
養子: 内藤政挙（太田資始の六男）

内藤政義は、藩政改革に尽力した藩主として、その名が記録されています。激動の時代にあって、藩の発展と領民の生活を守るために尽力した人物でした。

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