内藤礼

内藤 礼について

内藤 礼（ないとう れい）は、1961年生まれの日本の美術家で、広島県広島市出身です。彼は独自の美的世界観を持つ作品を創造し、その繊細で控えめな造形や、鑑賞体験における緊張感を巧みに演出したインスタレーション作品でも知られています。東京の武蔵野美術大学を1985年に卒業後、彼の作品は国内外の様々な展示会で評価を受けています。

初期の業績

1986年に東京のパルコ･スペース5で初の個展『Apocalypse Palace』を開催し、続いて1991年には佐賀町エキジビット・スペースで「地上にひとつの場所を」と題した作品を発表しました。1995年には国立国際美術館で個展を行い、1997年のヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展の日本館においても「地上にひとつの場所を展示した際には、個々の観客を数分間だけ招き入れるというユニークな方式を取ったため、多くの人々が列を成しました。

2000年代と以降の活動

2000年代に入ると、直島のベネッセアートサイトにて古民家「きんざ」に作品「このことを」を設置し、2008年の横浜トリエンナーレにも参加しました。2009年には神奈川県立近代美術館で「すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している」と題する個展を行い、2010年には豊島美術館に「母型」を設置しました。その後も広島県立美術館での個展や東京都庭園美術館での展示など、多数の作品発表を重ねています。

国際的な評価

2017年にはパリ日本文化会館とテルアビブ美術館で個展を開催し、国際的にもその名声を高めました。2018年には水戸芸術館で大規模な個展『明るい地上には あなたの姿が見える』を行いました。彼の作品は、その哲学的な観点と静謐さから多くの観客に感銘を与え続けています。

現在までの予定とコレクション

2020年には金沢21世紀美術館で『内藤礼 うつしあう創造』を開催し、2024年には東京国立博物館で「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」を予定しています。彼のアート作品は、直島の「きんざ」や豊島美術館の「母型」など、公共の場でも見ることができます。

作品集と参考文献

内藤礼は、様々な作品集も出しています。その中には『内藤礼作品集』（筑摩書房）や『地上にひとつの場所を』（筑摩書房）、『世界によってみられた夢』（ちくま文庫）などがあります。彼の作品に関する参照文献や、彼が参加した展覧会についての詳細は、美術手帖や書籍等を通じて知ることができます。堅牢かつ繊細な表現による内藤礼の芸術は、今後も多くの人々の心に響き続けることでしょう。

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